マレーシアの日本食調達ガイド|駐在3年でわかった「手に入るもの・入らないもの」

海外生活

著者:ひまわり

こんな方にこの記事が役立ちます
・マレーシア赴任が決まり、「日本の食材は手に入るの?」と不安な方
・クアラルンプールで日本食材が買える店を知りたい方
・食材ごとの入手しやすさ・価格感・代用品を知りたい方
・日本から何を持参すべきか迷っている方

「マレーシアで、日本の食材はどのくらい手に入るんだろう」

赴任が決まったとき、気になったことの一つがこれでした。子どもたちの毎日のごはん、使い慣れた調味料、お米。現地でどこまで揃うのか。

約3年間クアラルンプールで暮らした結論から言うと——日本食は、かなり手に入ります。ただし「何でも」ではなく、食材によって入手しやすさに大きな濃淡があります。

この記事では、日本食材が買える店、食材別の入手事情と価格感、そして日本から持参すべきものまで、わが家の3年間の実体験でお伝えします。

※本記事はわが家の滞在時の個人の体験に基づきます。店舗・商品・価格は変わる可能性がありますので、最新情報は各店舗等でご確認ください。

結論|クアラルンプールの日本食事情は、かなり恵まれている

まず全体像です。

クアラルンプールでは、日系の小売店(イオン・伊勢丹・ドンキ)に加え、日系以外の高級スーパーでも日本食が容易に手に入ります。マレーシアの地方や近隣国と比べても、クアラルンプールは恵まれた環境だと思います。

ただし、エリア差があります。KLCCなどの都心部や、日本人駐在員が多く住むモントキアラなどの高級スーパーでは充実している一方、Lotus’sなどリーズナブルな小売店では日本食をほとんど見かけません。また、郊外や地方でも入手は難しくなります。

つまり「クアラルンプールのどこで売っているか」を知っておくことが重要です。まずは店から紹介します。

日本食が買える店|日系3社+高級スーパー

以下に主なスーパー別の日本食の取り扱い状況についてレビューします。なお、日本食を扱う店は他にもありますが、複数店舗あり、比較的規模の大きなお店に絞ってご紹介します。また、あくまでも個人的な所感ですのでその点ご容赦ください。

イオン|ローカライズが進む。都心では日本食も充実

イオンマレーシアは、マレーシアに進出した日系企業の中でも歴史があり、イオンモールとしてマレーシア全土に展開・定着しています。日本のイオンと同じモールの雰囲気・世界観を残しつつ、扱う商品は現地のニーズに合わせてローカライズされているのが特徴です。

ミッドバレーやタマンマルリなど都心の店舗では日本食の扱いが多く、日本食フェアもよく開催されています。一方、郊外や地方の店舗では日本食はほぼなく、店舗ごとに地域のニーズに合わせている印象です。東海岸などイスラム色の強い地方では、イオンモールの表示がアラビア語表記のところもあるなど、日系小売店の中では最もローカライズが進んでいると感じます。

伊勢丹|日本食の充実度は随一

ISETAN Kuala Lumpurは、ペトロナスツインタワー直下のSuria KLCC店、ブキッビンタンのThe Japan Store、ミッドバレーのThe Gardensの3店舗があります。

特にSuria KLCC店は、都心のど真ん中という立地で売場も広く、日本食の充実ぶりは随一。「何でもある」とまでは言えませんが、日本食の調達で困ることはほとんどありません。立地を活かして「◯◯県フェア」のような日本食フェアも頻繁に開催されています。日系らしい落ち着いた雰囲気も特徴です(同じSuria KLCCにはCold Storageという高級スーパーもあり、雰囲気の違いを見比べるのも面白いです)。

ドンキ|店内は日本一色

2021年にマレーシアへ進出。日本ではディスカウントストアのイメージですが、海外では食品が中心で、「JONETZ by DON DON DONKI」の店名で出店しています。ジャパンブランド・スペシャリティストアをコンセプトに、日本からの輸入品や日系メーカーの現地(東南アジア地域等)生産品ばかりを扱っています。店内に入ると、海外にいるとは思えないほど日本産品にあふれています。自治体フェアなど日本食イベントも多く開催されています。

マレーシア内では、Lot 10店とMid Valley Megamall店の2店を出店。他にも店舗がありましたが、新規出店・撤退のサイクルが早い印象です。

日系以外の高級スーパーも日本食の扱いが充実

日系以外のスーパーでは、特にJaya Grocerは新規出店が多く勢いのあるスーパーで、モントキアラや都心の店舗(163店やIntermark店など)では日本食の品揃えが充実し、日本産食品フェアもよく開かれています。ほかにVillage GrocerQra、BIGなどの高級スーパーでも都心やモントキアラの店舗では日本食は手に入ります。

高級スーパーが入る163リテールパークの外観
モントキアラのモール163
高級スーパーJaya Grocerの入口
Jaya Grocer 163店

食材別の入手事情|早見表

わが家の3年間の体感を、まず一覧にします。なお、日本からの輸入品の価格については、品目によって異なりますが、ざっくり日本の約3倍が目安です。(実際は、生鮮食品・加工食品・課税額(酒税など)・消費期限の長さ等々の違いが影響し、品目ごとに日本との値差は異なります。)

以下、詳しく説明します。

野菜|キャメロン高原と日系企業の現地生産に助けられた

日本産野菜は上記でご紹介した各スーパーで入手できますが、品目は限られます。(さつまいもは人気があり様々な店舗でよく見ますが。)価格はざっくり日本の3倍程度が目安です。

ただ、日常的に使う野菜の調達に不便はありませんでした。マレーシアには東南アジア屈指の高原野菜の生産地であるキャメロンハイランドがあり、ローカル野菜で十分でした。

特筆したいのが、日系企業の現地生産品です。CHITOSEのトマト・イチゴ・大根・カブ・ホワイトコーン・葉物野菜などは日本品質で大変おいしく、キノコではHOKTOのブナシメジ・ブナピーが現地生産されています。ローカル産よりはやや高いですが、日本からの輸入品よりはかなり安くて品質もよく、わが家の3年間の定番でした。

(キャメロンハイランドには家族旅行でも訪れました。旅行記はこちら

果物|日本産はかなり高め

イチゴ・シャインマスカット・みかん・もも・リンゴなどの日本産は高級スーパーで買えますが、価格は約3倍。シャインマスカットは1房5,000円超することも多いです。但し、やはり中国・韓国産と比べても美味しく、稀に来客時などに購入して出しました。

なお、イチゴは上記でご紹介したCHITOSEのものが美味しく、他にローカル産や輸入品もあります。概して、シャインマスカットや柑橘類などは、中国・韓国・豪州産などのほうが手頃で、売場も圧倒的に広いです。スイカやマンゴーなど南国系の果物は、日本産はほぼ見かけません(ただ、現地産がおいしいので困りません)。

肉・卵|ハラル規制により日本産は限定的

マレーシアはイスラム教国家で、肉類の流通規制が非常に厳格です。日本産で見かけるのは和牛のみ。日本産の鶏肉・鶏卵・豚肉は見たことがありません(レトルトカレーなど、加工食品に含まれているものはありますが、精肉としては見たことはありません。)。和牛はかなり高いですが、食べ歩きできる和牛串が人気であり、様々な場所で見かけます。

でも、これも不便はありませんでした。鶏肉はマレーシアが産地で、特にマーケット(市場)で買うものは安くて新鮮でおいしいです。豚肉も、養豚が盛んであり、スーパーのノンハラルコーナーやマーケットで買えるローカル産がおいしく、わが家はよく利用しました。

卵ですが、スーパーで普通に売られている卵は常温保存・消費期限1ヶ月表示のものが多く、購入する気になれませんでした。わが家は少し値段は張りますが、Kenkoriという現地ブランドを愛用。鮮度・品質管理がよく、卵かけご飯にできるレベルです。

魚|家庭向けの日本産は少なめ

日本産の鮮魚は、日本食レストランでは見かけますが、家庭向けにスーパーで見かけることは少ないです。わが家はサーモンなどをマーケット(TTDIなど)やスーパーでよく買いました。冷凍品(ホタテなど)については、日本産も上記スーパーでよく見かけます。総菜コーナーには、ドンキ、伊勢丹などで、マグロなど日本のネタを使った刺身や寿司が販売されています。

ウェットマーケットは「TTDI」がおすすめ|日本語が通じる店も

鶏肉・豚肉・鮮魚・果物の調達で重宝したのが、ウェットマーケット(生鮮市場)です。東南アジアで暮らすうえでの、ひとつの特徴的な経験にもなると思います。

クアラルンプールにはマーケットが数多くありますが、日本人が多く利用し、わが家でもおすすめするのがTTDI(Taman Tun Dr Ismail)です。ウェットマーケットの中ではきれいで衛生的な部類だと思います(Chow Kitマーケットなど規模の大きい有名どころもありますが、ローカル感が非常に強く、観光には面白いですが、日常使いにはTTDIがおすすめです)。

あまりに日本人利用者が多いためか、日本語が通じる店もあのが心強いところ。わが家も「からあげ」、「しゃぶしゃぶ」、「さしみ」、「きりみ」、「ひゃくぐらむ」などと、口頭やローマ字で紙に書いて注文していました。スイカやマンゴーなどの東南アジア産の果物も手頃で、よく買いました。初めての方でも、思っているよりずっとハードルは低いです。

TTDIウェットマーケットの鶏肉店
鶏肉店(簡単な日本語が通じます)
TTDIウェットマーケットの豚肉店
豚肉店(しゃぶしゃぶなどローマ字で書いて注文します。)
TTDIウェットマーケットの鮮魚店
鮮魚店(刺身・切り身など簡単な日本語が通じます)
TTDIウェットマーケットの果物店
果物店(スイカ、マンゴーなど美味しいです。)

米|わが家は「きらら」に落ち着いた

日本産米はスーパーで買えますが、やはり日本で買う価格の3倍程度するので、日常使いとして買うのは厳しかったです(ドンキでは比較的お求めしやすい日本米もありますが。)。わが家ではいろいろ試した結果、ベトナム産のジャポニカ米「きらら」に落ち着きました。カルロース米なども試しましたが、味・価格のバランスで「きらら」を選びました。日本産に比べれば正直味は劣りますが、日常使いには十分でした。

なお、お米ですが、包装は日本っぽいけど中身はベトナム産やアメリカ産というものが多くあります。日本産と勘違いして購入しないよう産地はよく確認する必要があります。

また、日本産では少ないですが、パッケージの中を見ると、小さな虫がたくさん湧いているものも散見されますので、中身もよく確認すると良いでしょう。真空パックされている商品だと、虫が湧いているリスクは少ないかと思います。

牛乳・乳製品|豪州・NZ産で困らない

牛乳・乳製品も畜産品と同じく輸入規制により、日本産は少なめです。ただ、マレーシアには豪州産・NZ産等の牛乳・乳製品が豊富に流通していて、おいしく、困ることはありませんでした。一部、シャトレーゼのケーキ(日本製造品を瞬間冷凍して輸入)や日本産牛乳(ドンキで販売)など、日本からの輸入品も買えます。

調味料|「現地生産の日系メーカー品」が強い味方

調味料は2種類に分かれます。

①日本からの輸入品:醤油・味噌・みりん・料理酒など、大抵のものは揃いますが、価格は日本の約3倍

②日系メーカーの現地・近隣国生産品キッコーマンの醤油、キユーピーのマヨネーズ・ドレッシング、オタフクのソース、味の素の旨味調味料など、手頃な価格で入手可能。わが家はこちらを常用しました。

この現地生産の日系品を軸にするのが、味と家計を両立するコツだと思います。

麺・加工食品・納豆・豆腐・お菓子

ンスタント麺は、カップヌードル、一平ちゃん等、それなりに日本食が充実しています。ただし現地ではMameeが国民食として圧倒的な存在感と低価格を誇ります(Maggiも人気)。わが家はMameeが子供達の好みに合わず、よく一平ちゃんを買っていました。また、蛇足ですが、ローカル製品のPenang White Curry Noodleがインスタント麺世界一に選ばれたこともあり、お土産などで度々購入しました。

レトルト・冷凍食品・アイスなどの加工食品は、日系の小売店や高級スーパーで日本産が買えます(輸入品ゆえ高め)。

また、納豆ですが、わが家は納豆の消費量が多いのですが、マレーシアのスーパーで納豆を見つけたときは、心からほっとしました。マレーシアで売られている納豆は冷凍のもので「だるま納豆」が最も安く、わが家の日常の定番でした。(「安い」といっても日本よりはかなり高いですが。)個人的には日本で販売されているような冷蔵の納豆のほうがおいしいと感じますが、それでも容易に手に入ることがありがたかったです。

豆腐はローカル産が中心で、日本産はかなり限定的でした。お菓子は非常に充実していて、日系・非日系の高級スーパーに行けば困ることはありません。中でも特にドンキは日本のお菓子が溢れています。

飲料|現地生産の日本食がそれなりに販売

カゴメ野菜ジュース、ヤクルト、カルピス、グリコのアーモンド効果、綾鷹などのお茶類が、日系店・高級スーパーで買えます。多くが現地(東南アジア地域)製造で、ローカル産の競合品よりは高いものの手頃な価格。わが家はヤクルトを日常的に飲んでいました。ドンキでは日本からの輸入飲料も様々販売されていますが、やはり日本産は値が張ります。

お酒|ビールは困らない。日本酒・焼酎はこだわりがあれば持参を

イスラム教国家ですが、お酒自体はスーパーのノンハラルコーナーやコンビニで容易に買えます(扱いのない店もあり)。ただし酒税が高く、値段は高めです。

日本酒・梅酒・ウイスキーなどの日本産は都心やモントキアラの高級スーパーで買えますが、銘柄は限られます。また熱帯のため温度管理が重要なのに、保存状態が心配な店も見受けられ、わが家はあまり買う気になりませんでした。日本の焼酎は、スーパーでは余り見かけません(日本人会の売店など一部店舗では見かけました)。

ビールはアサヒ・キリン・サッポロが買えます(アサヒ・キリンは輸入、サッポロは現地カールスバーグ工場での生産)。ただ現地ではTIGERビール・カールスバーグの存在感が圧倒的です。サントリーについては、一部の日本食レストランでプレミアムモルツが飲めます。

宅配の活用|GrabMartと「生鮮は目で見る」使い分け

食材の調達は、店に行くだけではありません。わが家はGrabMartによる宅配を頻繁に使っていました。

わが家がよく頼んでいたのはJaya Grocerの宅配です。自宅の近くに店舗があり、暑いマレーシアの気候を考えると配達時間をできるだけ短くしたかったのが理由です(Jaya GrocerはGrab傘下で、Grabと連携したロイヤリティプログラムのポイント還元もあります。こちらはおまけ程度ですが)。

ただし、使い分けとして、生鮮品(野菜・魚など)は宅配ではあまり頼みませんでした。マレーシアでは日本ほどの品質管理がされていないためか、スーパーの生鮮品には傷んだものも散見されます。生鮮品は自分の目で見てから買いたい——そこで宅配で頼むのは、お菓子・缶詰・調味料・牛乳など品質のばらつきがないものと、油やトイレットペーパーなど重い・かさばるものを中心にしていました。

配達状況はアプリで追跡でき、コンドミニアムのガードハウスに届けてくれます。配達完了は写真付きでアプリに通知が来るうえ、ガードハウスからも連絡が来るので、受け取りで困ることはありませんでした。

飲料水は「宅配」で注文

マレーシアの水道水は、そのままでは飲めません。わが家では浄水器を設置し(設置している駐在員のご家庭は多いと思います)、洗い物や野菜を洗うなどではそちらを使っていました。ただ、浄水器を通しても直接飲むことには抵抗があり、料理用・飲料用の水は購入していました。水を買っている駐在家庭は多い印象です。

わが家はMIIZUというサイトから注文し、自宅まで宅配してもらっていました。当時最も安かったSummerという飲料水を、1回に4〜5ケース(1.5L×12本で1ケース)ほどまとめ買い。水は重く、消費も速いので、宅配の利用がおすすめです(こちらはガードハウスではなく、部屋まで運んでもらいました。)。わが家はペットボトルで購入していましたが、ウォーターサーバーを使うご家庭もあり、そこは各家庭の好みだと思います。

日本から持参をおすすめするもの

3年間の結論として、持参をおすすめするのは次の2つです。

①地域性のある調味料・食品
大阪の「旭ポン酢」、愛知の「つけてみそかけてみそ」のような、地域色の強いものは現地での入手が困難です。ソウルフードや日常使いのローカル調味料があれば、持ち込みをおすすめします。

②こだわりのお酒
現地で買える銘柄は限られるため、こだわりの日本酒・焼酎などがあれば持参を。ただしお酒は免税で持ち込める量に制限があります(1リットルまで等)。事前に航空会社のHPなどで最新情報を必ずご確認ください。

逆に言えば、この2つ以外は基本的に現地調達で困りませんでした。(個人の感想です。)

まとめ|日々の食材は、心配しなくて大丈夫

クアラルンプールへの駐在であれば、日々の食材についてあまり心配はいりません

日本食はかなり手に入りやすく、ローカル食材もキャメロンハイランドの高原野菜、鶏肉・豚肉、果物、魚など、スーパーやマーケットで品質のよいものが手に入る環境です。日系メーカーの現地生産の調味料・食品も種類があり、日常の食材調達に困ることはほとんどありませんでした。マレーシアの地方や近隣国と比べても、クアラルンプールは恵まれていると思います。

ただし「何でも手に入る」わけではありません。地域性のあるソウルフードと、こだわりのお酒があり、マレーシアでも楽しみたいのなら日本から持ち込むのがおすすめです。

これからマレーシアに赴任されるご家庭にとって、この記事が少しでも役に立てば幸いです。

マレーシア生活・赴任準備については、こちらの記事もあわせてお読みください。

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