海外赴任に家族で帯同して良かったこと・大変だったこと|マレーシア3年間のリアルな本音

転勤(海外)

著者:ひまわり

こんな方にこの記事が役立ちます
・海外赴任への家族帯同か単身赴任かで迷っている方
・マレーシアへの家族での帯同生活について知りたい方
・帯同して良かったこと・帯同する上での制約を知りたい方
・子ども連れでの海外生活に不安を感じている方

「海外赴任が決まった。家族で一緒に行くべきか、単身赴任にすべきか…」

そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

わが家の場合、マレーシアへの赴任にあたり、迷いなく家族全員で帯同することを選びました。子どもたちがまだ幼稚園・小学校低学年と小さかったこと、マレーシアは日本人学校もあり家族連れで暮らす方も多い環境だったこと、そして何より「家族一緒にいること」を最優先に考えたからです。

マレーシアでの3年間は、目まぐるしい毎日で、当時は帯同してよかったと実感する余裕すらありませんでした。ですが、滞在最終日に思い出のレストランで家族揃って食事をしたとき、色々な思い出が込み上げてきて、「家族でマレーシアで過ごせて本当によかった」と万感の思いになりました。

この記事では、実際に経験した「帯同して良かったこと」と「大変だったこと」を、正直にお伝えします。これから帯同を検討されている方の参考になれば幸いです。

※ 本記事は2022〜2025年当時の個人の経験に基づいています。

帯同を決めた理由

わが家の場合、帯同か単身赴任かで迷うことはありませんでした。

元々夫婦ともに海外生活に前向きだったこと、赴任地がマレーシア(クアラルンプール)であり、日本人学校やインター校含めて教育環境が充実していたこと、子どもたちが幼稚園・小学校低学年と小さく受験の心配がなかったことなどが重なり、「一緒に行く」という選択が自然な流れでした。

ただ、赴任地によっては判断は変わっていたと思います。治安面や生活環境・教育面でより不安の大きい国・地域であれば、単身赴任という選択肢も考えていたかもしれません。帯同するかどうかは、赴任地の環境を十分に調べた上で判断することが大切だと思います。

帯同して良かったこと

子どもの成長を間近で感じられた

一番大きかったのは、子どもたちの成長を近くで感じられたことです。

我が家の子ども達は英語がまったくできない状態でインター校に入りました。学校のEAL(英語サポート授業)と英語の家庭教師を受けながら、英語力を伸ばしていきました。1年経つ頃には、英語で不自由しなくなり、EALも家庭教師も必要としなくなりました。子ども達自身の努力の賜物ですが、その成長の過程を間近で見守れたことは、親として何物にも代えがたい経験です。

学校のイベントで親も参加する機会が多く、ある日、子どもたちが国籍の違いなど全く関係なく、外国人の友達とフラットにコミュニケーションをとったり、遊んでいる様子を見たとき、「帯同してよかった」と心から感じました。

日本では経験できない食文化・文化体験ができた

マレーシアは多民族国家で、マレー系・中華系・インド系をはじめとする多様な食文化があります。ナシレマ・ロティチャナイ・チリパンミーなど、家族でお気に入りのローカル料理もたくさんできました。最初は苦手だったドリアン(マレーシアには、マレーシアの誇る「猫山王(ムサンキング)」という高級品種のドリアンがあります)も、3回程食べたら病みつきになりました。

マレーシアの国民食ナシレマ
マレーシアの国民食「ナシレマ」
ロティチャナイ
ロティチャナイ

マーケットでの買い出しも楽しい思い出のひとつです。日本人で利用されている方も多いと思いますが、「TTDI」というウェットマーケットに月2~3回行き、新鮮な鶏肉(柔らかくて美味しいです!)や魚、スイカ・マンゴーなどのフルーツを手頃な価格で調達し、日々の食事が豊かになりました。

ドリアン(猫山王)の販売の様子
ドリアンの販売の様子
TTDIウェットマーケットでの買い出し
TTDIマーケット

文化・宗教的な行事も数多く体験しました。ラマダンバザール、ハリラヤ(ラマダン明けを祝う祝日)や旧正月の住宅街での大規模な花火(日本では考えられない規模で打ち上がります)、クラスメイトとの家族ぐるみでの交流など、異文化を肌で感じる体験ができました。

東南アジア各地を家族で旅行できた

マレーシア国内の旅行に加え、マレーシアを拠点とするLCCのエアアジアを活用し、東南アジア各地へ家族で旅行しました。日本からと比べて飛行時間も費用も格段に抑えられます。国内ではマラッカ・ペナン・ランカウイ・キャメロンハイランド・コタキナバルなど、近隣国ではシンガポール・インドネシア・タイ・カンボジア・ベトナムなどを訪れました。

エアアジアはKLIA2(クアラルンプール国際空港第2ターミナル)を拠点としておりますが、東南アジア各地への路線が豊富で、マレーシア滞在中の旅行に非常に重宝しました。

ホテルの予約には、基本的にBooking.comを活用していました。また、現地ツアーの申し込みについては、GetYourGuideを活用することが多かったです。実際の各旅行で訪れた場所や子供の反応などについては、今後、各旅行記事で詳しく紹介したいと思います。

最初の旅行先だったキャメロンハイランド昆虫の聖地として有名です。)では、当時昆虫が大好きだった子どもが、国蝶のラジャブルックや現地のクワガタムシ・枯れ葉カマキリ・ナナフシなどを見て嬉しそうにしている姿が忘れられません。渡航後しばらく落ち着かない日々がありましたが、その時は、皆で来れてよかったと心から思いました。

マレーシア国蝶ラジャブルック(アカエリトリバネアゲハ)
マレーシア国蝶「ラジャブルック」(アカエリトリバネアゲハ)
キャメロンハイランドの紅茶園
キャメロンハイランドの紅茶園

多様なコミュニティとのつながりができた

マレーシアの在留邦人数は19,690人(2025年10月1日現在。外務省海外在留邦人人数調査統計より。)で国(地域)別では14位の規模です。個人の体感ですが、クアラルンプールの邦人コミュニティは、大きすぎず小さすぎない規模だと感じました。日本人コミュニティが狭いムラではなく、とはいえ人が多すぎる訳でもなく、日本人同士で適度に顔が分かる関係であり付き合いも比較的濃密でした。学校・スポーツ・習い事・子どもの遊びなど、様々な場面でお世話になった方々との出会いは、マレーシア生活を振り返る上で欠かせない思い出です。

また、スポーツや音楽のスクールへの参加や、スポーツ仲間を見つけるアプリ「Rovo」を活用した飛び込みでの参加など、ローカルの方々や外国人との交流も積極的に楽しみました。マレーシアの方々は陽気で、飛び込み参加の外国人にも非常に寛容だったと感じています。

コミュニティの探し方としては、赴任直後は先に住んでいる日本人の方からの口コミ・紹介が中心(安心感があります。)で、慣れてからはローカルの方からの紹介やアプリなどでも探すようになりました。

帯同して大変だったこと(制限があったこと)

日本への一時帰国が限られた

最も大きな制約は、日本との往来です。一時帰国には時間も費用もかかり、気軽には帰れませんでした。わが家の場合、3年間で家族全員揃っての一時帰国は1度だけでした。

子どもたちをおじいちゃん・おばあちゃんにもっと会わせたいという思いはありましたが、なかなか機会を作れなかったことは、帯同生活の中で最も大きな制約でした。

子どもの遊び場が限られた

日本では当たり前の「学校帰りに公園で遊ぶ」ということが、マレーシア生活ではほぼありません。公園自体の数が日本と比べると非常に少なく、また、年中暑いことに加え、治安面の考慮から、放課後は親が迎えに行くかスクールバスで帰宅するのが一般的でした。

友達と遊ぶ場合は親同士が段取りをして、コンドミニアムの施設内で遊ぶのが中心でした。外国人駐在員が住むコンドにはプール・ジム・バドミントンコート・キッズスペースなどが充実しているところが多かったです。それでも遊び場が限定的になる点は制約でした。

年がら年中コンドのプールに入っており、マンネリ化は正直していました(子どもたちは楽しそうでしたが)。モール内に有料の遊び場があったり、ウォーターパーク(色々ありますがSunway Lagoonの年パスを購入して、よく行ってました。)、キッザニアに行ったりなどもしましたが、日常使いはコンド内の施設が中心でした。

Sunway Lagoon
Sunway Lagoon
キッザニアクアラルンプール
キッザニアクアラルンプール

食事・日用品の調達に工夫が必要だった

クアラルンプール(特に都心部)は、日本食の調達環境として非常に恵まれています。ドンキ・伊勢丹・イオンなどの日系小売店で日本の食品が比較的容易に手に入るほか、Jaya GrocerVillage Grocerをはじめとした非日系の小売店でも日本の食品が手に入ります。ただし、日本からの輸入品は高く、感覚的には日本の約3倍程度の価格になります。

わが家の場合、日常使いのお米はベトナム産のジャポニカ米(日本種米)を購入していました。日本米には正直味では敵いませんが、普段使いには十分な味でした。

一方で、現地生産の日系ブランドの生鮮食品(CHITOSEのフルーツ・野菜、HOKTOのキノコなど)や、日系メーカーがマレーシアや周辺国で製造している調味料(醤油、ソース、マヨネーズ、うま味調味料)や加工食品(冷凍餃子、乾麺など)は比較的手頃な価格で入手でき、日常の料理に重宝しました。

また、KLでは比較的容易に調達ができますが、郊外や地方に行くと日本食の調達が格段に難しくなる点には留意が必要です。

DonDonDonki Lot10店
DonDonDonki Lot10店
CHITOSEのいちご
CHITOSEのいちご

💡 ポイント
クアラルンプール都心部は日本食の入手環境が整っていますが、輸入品は個人の感覚的ですが日本の約3倍が目安。日本食を料理する際など、ローカルの食材と現地に進出している日系ブランド品をうまく組み合わせて活用すると、食費をそれなりに抑えて、日本の味が再現できました。

英語の壁は高かった

子どもたちは英語がまったくできない状態でインター校に入学しました。特に上の子は授業を英語で受ける必要があり、EALと家庭教師を約1年間活用して語学力を伸ばしました。下の子は幼稚園相当だったため自然体で習得していきましたが、それでも最初は大変だったと思います。

1年ほどで英語がかなり上達しEALと家庭教師は卒業できましたが、そこに至るまでは子どもたちの相当の努力を必要としました

日本の教育のフォローは容易でない

将来的に日本へ帰国することを見据えると日本の勉強を全くやらない訳にはいかず、日本の勉強へのフォローは必要としました。ですが、英語で苦労している中、インター校での勉強と並行して日本の学習を進めるのは容易でなかったです。

我が家では、日本の教科書(海外子女教育振興財団で無償配布事業を行なってます。)を子供と一緒に読むこと、こどもちゃれんじを使用した日本の教育のフォローを行いました。

教科書は、教育の基本であり無償で配布いただけるのは非常に有り難かったです。一方で、分量が多く、中々全部はできなかったのが正直なところです。一方、こどもちゃれんじはポイントが簡潔にまとまっており、分量も毎日無理なくこなせる量でした。こどもちゃれんじだけで十分かというと、そうではありませんが、教科書とこどもちゃれんじを組み合わせることで何とかフォローを行いました。

もちろん日本の子供達と比べると学習量は圧倒的に少なく、帰国時には、(特に漢字など)ついていけなかったですが、マレーシアでもコツコツ日本の学習をしていたことで、日本の学習への早めの適応繋がったと考えています。

なお、マレーシアでは、スマイルゼミで日本の学習のフォローをされているご家庭もいらっしゃいました。

安全への意識を常に持つ必要があった

日本と比べて安全面での注意が必要な場面が多くありました。子どもを連れての外出時は常に目を離さないよう注意し、スリや置き引きを防ぐために貴重品は体の前側に常に携帯するようにしていました。

交通マナーも日本と比べると格段に悪く(バイクのすり抜けなど)、運転中は常に気が抜けませんでした。

帯同家族のキャリアについて

帯同にあたって、渡航前は仕事をしていなかったため、職場でのキャリアへの直接的な影響はありませんでした(未就学児2人の子育てに注力していました。)。ただ、今振り返ると、インターネット上でできる仕事などに副業的に取り組み、稼ぐ力を磨いておけばよかったと思っています。現地では、子供達も学校に通っており、生活に慣れてきた頃には自分の時間も充実してきましたので、その時間を活かせていたらと感じます。

まとめ|帯同するかどうかは各家庭の事情次第

マレーシア(クアラルンプール)は、概して家族で生活しやすい場所だと思います。日本にいるときより安全面での注意は必要ですし、様々な制約があるのも事実です。

それでも、族一緒にいられること子どもたちが異文化の中で成長していくこと日本ではできない体験を家族で共有できること、これらはどれも帯同したからこそ得られたものです。

ご家庭ごとに事情は異なりますし、各々にとっての最善の選択も違うと思いますが、この記事が、帯同するかどうかを迷われている方の、少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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