マレーシアのコンドミニアム暮らしのリアル|家賃相場・設備・入居・退去の手続きまで

転勤(海外)

著者:ひまわり

こんな方にこの記事が役立ちます
・マレーシア赴任が決まり、住まい探しを控えている方
・コンドミニアムの家賃相場・設備・暮らしの実際を知りたい方
・入居時の交渉や、住んでからのメンテナンスの勘所を知りたい方
・情報の少ない「退去手続き」の実際を知っておきたい方

マレーシアでの物件探し——正直に言うと、本当に楽しかったです。

日本では狭い家に住んでいたわが家にとって、内見で訪れるコンドミニアムはどこも広くて綺麗で、プールやジムまで付いている。「ここで暮らすのか」と、これからの生活を想像して心が躍りました。

わが家は約3年間、家族4人でクアラルンプールのコンドミニアムに暮らしました。なお、途中で引っ越しも経験しています。この記事では、家賃相場や物件の探し方から、共用施設、入居時にやるべきこと、住んでからのメンテナンス、そして意外と情報のない退去手続きまで、実体験ベースでお伝えします。

※本記事はわが家の滞在時の体験に基づきます。相場・制度は変わる可能性がありますので、最新情報は現地エージェント等にご確認ください。

駐在員の住まいは、コンドミニアムが主流

現地でお会いした駐在員の方は、日本人・外国人問わず、ほとんどの方がコンドミニアム住まいでした。単身の方でホテル滞在の方は一部いらっしゃいましたが、一戸建てを借りている駐在員の方には、わたしはお会いしたことがありません。

理由のひとつはセキュリティだと思います。通常、駐在員が住むコンドミニアムにはガードハウスがあり、24時間警備が付いています。オートロックのカードキー、専用のエレベーターキーもあり、高層階に住む安心感は、一戸建てとは比べものになりません。

わが家が住んでいたのは、3ベッドルームで約1,800平方フィート(約167平米)。日本の感覚からすると驚くほど広いですが、マレーシアでの駐在員向けコンドとして決しては珍しくない広さです

家賃相場と、物件の探し方

家賃の目安は月5,000〜9,000リンギ

家賃は、エリアやコンドミニアムによってかなり幅があります。同じコンド内でも部屋ごとにオーナーが異なり、階数や備え付けの家具・家電によっても大きく変わります。

体感として、日本人世帯の方は月5,000〜9,000リンギのところに住まわれている方が多い印象でした。ただし、わたしのいた頃から家賃は上昇傾向にあり、今はもっと高くなっているかもしれません。

会社負担か自己負担かは会社によるかと思います。会社が用意した物件に入る方、自分で探して一部または全額を会社負担で住む方など様々でした。ちなみにわが家は自分で探しました。

エージェントは「評判」で選ぶ

物件探しは、現地系の不動産エージェントに依頼しました。日系のエージェントもありますが、職場の同僚などから評判を聞き、対応の良いおすすめの現地系エージェントにお願いしました。レスポンス・対応が非常に早くて丁寧であり、不便は全くありませんでした。

引越しの際は他の現地系エージェントにも依頼して、物件探しをしましたが、結局は1件目で契約したエージェントにお願いしました。エージェント選びについて、余り経験がある訳ではありませんが、現地にいる知人・同僚が実際に使って評判の良かったとこは一つの有力な選択肢になるかと思います。

共用施設|プール・ジムは標準装備

駐在員が住むようなコンドミニアムには、プールとジムは基本的にどこでも付いています。それに加えて、パーティースペース、キッズスペース(遊具)、バドミントンコート、テニスコート、バスケットコート、BBQ場など、設備は非常に充実していました。

わが家がよく使ったのは、プール・ジム・キッズスペース・バドミントンコート・テニスコート。年中暑いマレーシアは、毎日がプール日でした。また、欧米の方など、頻繁にパーティースペースやBBQ場でパーティを開いており楽しそうな様子でした。

習いごはコーチを「合同で」呼ぶ

水泳・バドミントン・テニスは、コンドの施設にコーチを呼んでレッスンを受けていました。1家族で呼ぶとコストがかかるので、友達家族と合同で呼んでレッスンを受けるのが、わが家の周りでは定番でした。コンドの施設が、そのまま習い事の場になる感覚です。

公園の代わりが、コンドの施設

日本と違い、マレーシアでは「近所に公園がある」という環境は珍しいです。また、安全確保の面でも、小さい子どもを外で遊ばせるより、コンド内の設備で遊んでもらうことが多くなります。

KLCC公園やTitiwangsa Lake Gardensなど、遊具が充実していたり自転車やボートを借りられる公園もあり、時々家族で出かけましたが、日常の遊び場はコンドの施設が中心でした。住まい選びの際、共用施設の充実度は「子どもの日常の遊び場」に直結します。

入居時にやるべきこと

家具・家電付きで探すのが楽

わが家は家具・家電備え付けの条件で探しました。家具なし物件もあることにはありますが、その後の貸出家具の手配や購入はかなり大変です。備え付けを選ぶのが楽だと思います。

契約時は「設備の交渉」ができる

家具・家電は、契約にあたって交渉が可能です。新たな家具・家電の導入を要求して、受け入れられる場合もあります。

わが家は時短家電として食洗機の導入を必須と考えていました。また、キッチンの水道の一部に浄水器が付いていなかったため、食洗機の設置と、キッチン内すべての水道への浄水器設置に対応してもらいました。

ただし、交渉は家賃とセットになります。要求がそのまま通ることもあれば、要求によって家賃を上げられることもあります。また、家賃の値下げには応じない代わりに設備導入で手を打ってくる、ということもあります。ここは、入居したい側と空室を埋めたい側の交渉の世界です。

入居時の不備確認は必須

入居時には、室内・家具・家電の不備確認が必須です。故障はもちろん、フィルターが汚れていたら交換をお願いする、壁に汚れがあればしっかり指摘しておく——細かい点まで記録しておくことが、退去時のトラブル防止につながります。

なお、入居から1ヶ月間の初期の設備不備は、オーナー側の責任で交換・修理してもらえました。わが家の場合、家具(椅子)、エアコンの故障、浴槽の栓の故障に対応してもらいました。また、虫(G)の大量発生がありましたが、オーナー負担でペストコントロールを入れてもらいました。

実は内見の際、戸棚の中にGの死骸を見つけて、少し嫌な予感がしていました。内見では、棚の中など細かいところまで確認することをおすすめします。

契約期間・初期費用・「駐在員条項」

契約まわりについても、わが家のケースをお伝えします(オーナーにより条件は異なります)。

契約期間は、1件目の場合「2年間、ただし双方合意により+1年延長可」という条件でした。2年住んだ時点で家賃の交渉となりましたが、賃料が高騰傾向にあり折り合わず、期間満了で引っ越すことにしました。コロナ禍の頃は賃料が低かったのですが、正常化して以降は高騰する傾向にありました。

初期費用は、次のとおり合計で家賃3.5ヶ月分+αが必要でした。

項目金額
Security Deposit(敷金)家賃2ヶ月分
Utilities Deposit家賃0.5ヶ月分
前払い家賃1ヶ月分
サービスチャージ約130リンギ

そして駐在家庭で重要なのが、駐在員条項(契約書への記載は必須)です。わが家の契約には「借り主が転勤する場合、または就労許可が取り消される場合、貸主に対して◯ヶ月前(一般的に1〜3ヶ月)に書面で通知する必要がある。この条項は1年間の居住が経過して以降のみ適用される」という旨の条項を入れました(駐在員向けに慣れたところだったので、最初から入っていました)。

駐在に急な帰任はつきものです。この条件に基づき、退去前に通知することで特段のトラブルはなく退去できました。なお、1年以内の退去の場合は違約金(家賃◯ヶ月分)が必要となっていました。契約時には、こうした条項を含む契約条件を必ず確認する必要があります(会社の法務担当が確認されるという方もいらっしゃると思います。)。

インターネットは自分で手配

ネット回線は、我が家の場合は、自分でプロバイダに家庭向け光回線の開通手続きを申し込みました。大手ではTimeが最も安く、わが家はTimeを利用(ほかに最大手のUnifi、Maxisなどがあります。)。ネットから申し込み、工事を手配してもらいました。

なお、工事により部屋に小さな穴を開けましたが、特段のトラブルにはなりませんでした(工事については、エージェントを通じてオーナーにも事前に伝達しました。)。

住んでからの実務|エアコン・虫・故障対応

エアコンは「ガス交換」に要注意

マレーシアは暑く、エアコンは基本的に年中使います(時折涼しい日はシーリングファンで十分なこともありましたが)。

わが家は半年に1回程度、エアコンのクリーニングとメンテナンスを行い、その際に冷媒ガスの交換の要否も確認していました。ここは日本の家庭用エアコンには余りないですが、マレーシアではガス交換が必要な場合が多く、怠るとエアコンが故障します。実際わが家も一度故障させてしまい、ガス交換不備は自責のため自費で修理しました。この点は注意が必要です。

お風呂のお湯は「電気タンク式」|バスタブは思ったほど使えない

意外とつまずいたのが、お風呂周りです。

マレーシアのシャワーは、電気でお湯を温めるタンク式が多く、使う10〜15分前にスイッチを入れ、タンク内に貯めてある水を温めてから使います(多くのコンドやホテルがこの形態でした)。

1人でシャワーを浴びる分には不便はありません。問題はバスタブにお湯を張るときです。タンクには容量があり、お湯を出し続けると次第にぬるくなって、最後は常温の水になります。1回にタンクで温められる量では湯船には全く足りず、わが家は「お湯を温めては湯船に溜め、温めては溜め」を3〜4回繰り返してお湯を張っていました(次第にぬるくなるので熱めの設定で)。しかも日本と違い追いだき機能はないので、どんどん冷めていきます。

結果、お湯を張って家族4人が順番に温かい湯船に浸かる、という日本のスタイルは不可能であり、わが家はバスタブをあまり使いませんでした。「バスタブ付き」を条件に物件を探しましたが、結果としてバスタブの稼働率はかなり低かったです。

虫対策|ペストコントロールより「物理封鎖」

入居後、部屋にGが大量発生した際には、その後ペストコントロールを入れてもらいましたが、薬剤散布の様子を見ると、持続性にかなり疑問がありました。

そこでわが家は、侵入経路と思われる場所(バスルームの換気扇口・通風口など)を、メッシュ状のもので全て物理的に塞ぐ対応を取りました。これが効果的でした。

一方、アリの大量発生は度々あり、こちらは、毎回出る度にアリメツ(アリ用の殺虫剤。KLCCのスギ薬局など日系薬局で購入可)で根絶する対応をとりました。(非常に小さいサイズのアリであり、物理的には防ぎようがなかったです。)

経年劣化の故障はオーナー負担

入居後も、入居者の責任でない故障・不備(経年劣化等)はオーナー負担で修理・交換してもらえます。

わが家のケースで印象的だったのは、バスルームの大きな鏡です(縦1m×横3mほど)。経年劣化により、同じコンド内の複数の部屋で次々に鏡が落下して粉々に砕ける事案が発生したのですが、さすがに危険であり、鏡を交換してもらいました。

また、その他のトラブルとしては、トイレの漏水、電気系統の故障(漏電)などがありました。

マレーシアの設備は、日本の感覚と比べると、施工やメンテナンスに甘さがあるように見受けられます。住宅のトラブルは色々と耳にすることがありましたが、そのようなものであると捉えておくとよいかと思います。

ハウスキーピングと掃除

ハウスキーピングを頼んでいるご家庭も多くありましたが、わが家は頼まず、家庭用ロボット掃除機で何とかしました。ここはご家庭の方針次第です。

光熱費の実額(わが家の場合)

費目わが家の実績(月額ベース)
電気600〜700リンギ
(引越し前は、300〜400リンギでした。エアコンが古いと電気代が跳ね上がります。)
ガス約20リンギ(オール電化のコンドも多いです)
水道50〜70リンギ
下水約70リンギ/3ヶ月(水道とは別・3ヶ月に1度の請求)

マレーシアは暑く、エアコンは年中稼働しっぱなしでした。引越し後、電気代が跳ね上がりましたが、これはエアコンが古かったのが原因と考えています。引越し前はエアコンが比較的新しく、シーリングファンとも併用しながら暑さ対策をしていました。

クアラルンプールでの電気の契約先は、政府系のテナガ・ナショナル(TNB)であり、他に選択肢はありません。電気代については、使用電力量の大きいエアコンの影響が大きいかと思います。

退去のリアル|意外と大変で、情報が少ない

入居もさることながら、退去もなかなか大変でした。そして、退去に関する情報は本当に少なかったです。ここは特に詳しくお伝えします。

わが家が、オーナー側の求めにより、退去時に自分で手配したのは、以下です。退去は2回経験しましたが、大きな差はありませんでした。

  • カーテンのクリーニング(要領収書)
  • エアコンの点検整備(要領収書)
  • すべての電化製品の清掃と動作確認(自身で実施)
  • 壁を元の状態に戻す
  • 業者による部屋の清掃(要領収書)
  • インターネットサービスの停止
  • 公共料金の支払い
  • 切れた電球の交換
  • マットレス・カーペットのクリーニング(要領収書)

これらをすべて終えたうえで検査を受け、引き払いとなります。業者のあてがない場合は、エージェントに紹介してもらうこともできました。

わが家の場合は、退去はスムーズに進みました。また、敷金の返金ですが、1件目では全額速やかに返金されました。2件目では、壁の汚れのみ後日オーナー側が対処することになり、その塗り直し費用を敷金から差し引いた額が、後日返金されました。

油断できなかった話をひとつ

退去時の部屋クリーニングで、驚いた出来事がありました。作業に来られた方が、わが家で使っている液体洗剤を、持参したペットボトルに詰めかえて盗んでいました。もちろんその場で注意してやめさせましたが——海外ならでは、というべきか、油断はできません。

エリア選びと「日本人の多さ」という視点

コンド選びには、そのエリア・コンドに日本人がどのくらい住んでいるかについても気になるといる方がいらっしゃるかと思います。

代表例が、高級住宅街のモントキアラです。クアラルンプール日本人学校向けのスクールバスが来ること、モールやスーパーが近く生活に便利なこと、街の雰囲気・治安が(マレーシアの中では)良いことから、家族連れで駐在されている方では、モントキアラに拠点を構えるという日本人の方は非常に多いです。

日本人に限らず外国人駐在員が多く住んでおり、近くには、Garden International School(英国系)やMont’Kiara International School(米国系)といったインター校もあります(通われている日本人の方も多くいらっしゃいます。)また、モントキアラからは、様々なインター校へのスクールバスも通っており、住みやすく便利な街になります。

その結果、一部のコンドには日本人が数十世帯住んでいるところもあります。

日本人が多いことにはメリットがあります。分からないことを教えてもらえたり、友達付き合いが広がったりと、慣れない海外生活で心強い存在になります。一方で、生活圏が重なりすぎて(特にプールなどの設備は多くの家庭が使います)、気を遣ってしまうという方もいらっしゃると思います。

どちらが良い悪いではなく、ご家庭の考え方次第だと思いますが、一つの気になる点として触れさせていただきました。

物件選びで重視したポイント

わが家がコンド選びで重視したポイントは以下のとおりです。ご参考までご紹介します。

まとめ|内見から、楽しんでほしい

マレーシアのコンドミニアム暮らしは、日本の住まいとはまるで違う世界でした。コンドはとても綺麗で、プールやジム、キッズスペースなどの設備が充実、また、部屋も広く、南国(リゾート)暮らしをした、とても貴重な3年間でした。

もちろん、設備不良や虫の大量発生、クリーニング業者が盗みを行うなど、日本にはない大変な面もあります。それでも総じて、快適で、家族の思い出が詰まった3年間でした。

これからマレーシアに赴任される方は、本当にうらやましく思います。内見で色々なコンドを見て回るのは、心躍る体験でした。是非、この記事の情報を少しでも頭の片隅に置いていただき、住まい探しを楽しんでいただると嬉しいです。

マレーシア生活については、こちらの記事もあわせてお読みください。

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