海外のインター校から日本の小学校への編入|親が感じたギャップ

教育

著者:ひまわり

こんな方にこの記事が役立ちます
・帰国後の子どもの学校生活が心配
・インター校と日本の学校の違いをリアルに知りたい
・海外から日本の公立小学校へ転校予定がある
・インター校時代と帰国後のギャップを知りたい

インター校と日本の学校は、かなり違うな。

授業参観で教室に入った瞬間、そう感じました。

先生が教壇に立ち、板書をしながら授業を進める。子どもたちは全員先生の方を向き、ノートを取りながらクラスみんなで一緒に学ぶ。その光景を見て、「全く違うな」と思いました。

わが家の子どもたちは、マレーシアのインター校に約3年間通い、帰国後に日本の公立の小学校へ転校しました。わたし自身、子どもの頃は日本の公立小学校に通っていたのですが、久しぶりに見た日本の学校の姿は、思いのほか新鮮でした。意外と覚えていないこと、忘れていることが多かったのです。

この記事では、インター校から日本の公立小学校への編入で親として感じた「ギャップ」をそのままお伝えします。どちらが良いという話ではなく、感じた「違い」を率直に書きたいと思います。

※ インター校にも米国系・英国系・豪州系など様々な種類があり、一概には言えません。本記事はわが家が通っていたインター校の体験に基づいています。

授業スタイルがまるで違った

インター校:個々を伸ばす・自由な雰囲気

わが家が通っていたインター校では、クラスに先生が複数人いました。子どもたちが座る席は複数の丸テーブルで構成されており、基本的には先生が児童を回りながら授業を進めるスタイルでした。

印象的だったのは、児童ごとに学びの進捗が異なっていた点です。例えば、算数が得意な子はどんどん先へ進み、苦手な子はその子のペースに合わせてサポートを受ける。一斉授業でないため「置いていかれる」という感覚が生まれにくい環境でした。

また、授業でタブレットを使う場合など、机で作業する子もいれば、カーペットの上に寝そべりながら操作する子もいました。自由でゆるやかな雰囲気の中で、それぞれが学んでいました。

日本の公立小学校:規律・みんなで学ぶ

日本の学校では、先生が教壇に立ち、板書をしながら授業を進めます。子どもたちは全員同じ方向を向き、同じ内容を同じペースで学ぶ。挙手や先生があてたりしながら、他の子の意見も聞きつつ、みんなで同じ課題に取り組む。みんなで協力しながら、一つの授業を作り上げるような感覚です

また、授業参観に行った時は、その規律の強さに驚きました。日直の号令により、礼に始まり、礼に終わります。また、それが一つのスイッチになるように、授業が始まると「全員が同じことに集中する」という空気感があります。インター校にはない規律と、皆で一体的に取り組むことによる集中した空気感を感じました。

インター校の「個」を伸ばすスタイルと、日本の「全体」で学ぶスタイル。授業の進め方には大きな「ギャップ」を感じました。

運動会のギャップに驚いた

インター校の運動会:事前練習なし・当日まで内容不明

我が家の子ども達が通っていたインター校での運動系イベントは、運動会・水泳大会・持久走の3回ありました。

運動会は、内容としては日本のスポーツテストに近い形式でした。100m走・投てき(ジャベリン)・高跳びなどの個人種目が中心で、総得点をチームで競うスタイルでした。なお、事前の練習は一切なく、子どもたちも当日まで自分が何をするのかよく分かっていませんでした。

日本の運動会:練習を重ねた集団演技に感動

日本の小学校の運動会は、想像以上のものでした。

こども達の「入場行進」に始まり、「整列」、「前ならえ」、「休め」、「体操の隊形に開け」、「ラジオ体操」と、整った動き・規律に驚きました。通っていたインター校ではこのような規律は見たことがありません。

また、内容で特に心を動かされたのは、各学年のダンスです。同じ学年の子ども達全員で披露する息のあったダンスを見た時、子どもたちが運動会当日に向けて一生懸命練習してきたことが伝わってきて感動しました

日本の運動会は、運動能力の向上だけでなく、協調性や連帯感を育むことに重きを置いているのだと強く感じました。インター校ではなかった経験です。

給食当番・掃除・係の文化

インター校にはなかったものが、日本の学校にはいくつかありました。

  • 給食:インター校では給食はなく、弁当を持参するか売店・食堂で購入するスタイルでした。日本では給食当番により自分たちで配膳します。
  • 掃除の時間:インター校では清掃員の方が掃除をしていました。日本では子どもたちが自分たちで教室や廊下を掃除します。
  • 係・日直:インター校にはこうした学校生活を行う上での役割分担がありませんでした。

学校への持ち物に「ぞうきん」や「給食当番用の袋」がありハッとしました。給食当番・掃除・係・日直を通じて、子どもたちは協調性や責任感を身につけていく。日本の学校ならではの仕組みだと感じました。

「親と学校の距離感」が全く違った

インター校:アプリで学校での様子が日々伝わっていた

通っていたインター校では、専用アプリを通じて先生と親が日常的にコミュニケーションを取っていました。毎日のようにクラスでの活動が写真や動画とともに投稿され、学校での様子が日々伝わってきました。また、アプリのチャット機能を通じて、分からないことなど、先生に気軽に聞いていました。

親が学校に行く機会も非常に多かったです。各種運動イベント・水泳大会・ハロウィン・クリスマスパーティ・文化イベント・誕生会などなど、親が招待されるイベントが頻繁にありました。また、行事がなくても気軽に学校を訪れ、先生と話す機会がありました。子どもを迎えに来る親も多く、子ども達を待っている間、学校内のカフェを親が利用したり、先生と話したりすることも珍しくありませんでした。

日本:日々の様子が見えにくい

日本では、先生との距離感がインター校と比べるとやや遠い印象です。授業参観や運動会などはありますが、親が学校に行く機会は限られており、日常の子ども達の様子は余り分かりません

これを痛感したのは、下の子がある夜中に泣き出したときのことです。「学校に行きたくない」と言い出し、話を聞くと、国語が分からず、授業についていけなくて相当辛かったようでした。

恥ずかしい話ですが、その時になってはじめて、自分達は、子どもが学校でどのように過ごしているのかを分かっていないことに気づきました。

インター校にいた時も、英語が分からず泣いてしまったり、あるいは友達同士でのケンカがあったり、色々なことがありましたが、何かがある毎にアプリを通じて先生からメッセージが入りました。また、自分達が学校に行く機会も多く、学校での子ども達がどのように過ごしているのか、自然と情報が入ってくる環境にありました。インター校と比べた場合、日本では受動的には情報が入って来ずらい環境にあると感じました。

さらに、転勤族特有の事情もあったかと思います。引越しを繰り返していますが、引越先は毎回初めての場所で、最初は知り合いが全くいません。子どもが小さい頃から付き合いがあるなど、親同士のネットワークがあれば、学校での様子や友達関係の情報が自然に入ってくることもあるかもしれませんが、わが家にはそういった繋がりがない状況でした。

子供が泣いて「学校に行きたくない」と言うまで辛い思いをしているのに気づけず、日本では、子供達の状況を把握するためのもっと能動的な働きかけが必要だと強く感じました。

インター校で「得意を伸ばせた」体験

インター校では「個々を伸ばす」教育をしているという話をしましたが、わが家にも具体的な体験があります。

上の子は算数を得意としており、インター校ではどんどん先の内容を学び一つ上の学年の内容にも取り組んでいました。日本の学校では、全員が同じペースで進むためなかなか難しいことです。

また、SASMO(Singapore & Asian School Math Olympiad)という国際的な算数大会があり、算数が得意な子どもたちは学校の勧めでエントリーして力を試していました。上の子も意欲的に参加していましたが、得意分野をどんどん伸ばしてもらえる環境が、子どもの知的好奇心を刺激していたのだと思います。

日本の学校の強みを感じたこと

また、日本に帰国して、以下のような日本の学校にある強みも感じました。

  • 協調性:給食当番・掃除・係・日直・運動会など、皆で協力して何かを成し遂げる機会が日常に溢れています。学業のみならず、社会生活を送っていく上で必要な力を、学校生活の中で自然に身につけていける環境だと感じました。
  • 規律・礼儀:起立・礼・着席、整列・前ならえなど、社会生活を送る上で大切な規律や礼儀が日常的に意識されています。
  • 基礎学力の底上げ:音読・漢字の書き取り・九九の暗記・計算の反復練習など、基礎学習向上への取り組みがしっかりしているように感じました。宿題の量も通っていたインター校と比べると多く、日々の研鑽によって、子どもたちの基礎学力げが身についていると感じました。

一方、インター校ではスポーツ・音楽・ミュージカル・アート・体験学習(キャンプなど)・他言語(マレー語・中国語)・マインドフルネスなど、多様な活動に多くの時間を割いていました。学力の向上に限らず、子ども達それぞれの得意を伸ばることに重きを置いているように感じました。

どちらが良いというわけではなく、学校生活を送る上で「何を目指しているか」について、根本的な考え方に違いがるように感じました。

まとめ|違いを知っておくことが、子どものサポートに繋がる

日本の学校に編入する際、学習内容や学校での生活環境が大きく変わることから、「日本語での授業についていけるか」、「友達はできるか」、「スムーズに学校生活に適応できるか」など色々な心配がありました。実際に編入してみて、勉強もさることながら学校生活には非常に多くの違いがあり、親としても驚いたり戸惑ったりすることも多かったです。子どもたちも同様だったと思います。

特に、我が家のケースでは、帰国後のバタバタの中で、親と先生との距離感がインター校と日本の学校とて違いがあることに気づかず、結果として子供が学校で辛い思いをしているのに気づけなかったということがありました。

本記事では、インター校から日本の公立小学校への編入を通じて感じたギャップを書きましたが、どんな違いがあるのか、どんな落とし穴があるのか、予め知っておくことで子供達へのサポートにも繋がるかと思います。

この記事が、海外から日本への帰国を控えている方、またはこれからインター校を検討している方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。

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