著者:ひまわり
こんな方にこの記事が役立ちます
・マレーシア赴任が決まり、家族での暮らしをイメージしたい方
・生活費・住まい・学校・医療など、駐在生活を送る上での気になることをまとめて把握したい方
・赴任前の準備から本帰国まで、どんな準備が必要か知りたい方
・クアラルンプールでの家族での生活について、実体験を知りたい方
「マレーシアで、家族でちゃんと暮らせるだろうか。」赴任が決まったとき、住まいも、子どもの学校も、食事も、治安も色々と気になりました。初めての海外生活には、期待も大きい一方で、小さな子供を帯同しての渡航に不安もありました。
わが家は、2022〜2025年に家族4人でクアラルンプールに約3年間暮らし、子どもたちはインター校に通いました。振り返ると、赴任前に想像していたよりも、ずっと暮らしやすかったと感じています。
この記事では、生活費の実感と、暮らしに関する各テーマの要点をまとめました。各テーマについて、詳細記事のリンク先を掲載しましたので、気になるなる記事があれば読んでいいただけると幸いです。赴任前のわたしが知りたかったことを実体験に基づき集めた、一家族の記録です。
※生活の支出額や実感は滞在当時の個人の経験に基づくものです。最新の状況を示すものではなく、地域・家族構成・暮らし方によっても異なります。
生活費|家賃・学費を除いて約RM8,000/月
広いコンドミニアムで暮らし、週末はプールで遊び、ローカルのご飯を楽しむ。日本の食材も調達でき、学校や趣味を通じて知り合いが増えていく。そんな日常が、わが家のマレーシア生活でした。
一方で、設備の故障への対応や、移動の不便、スリ被害も経験しました。「物価が安いから、何でも安く暮らせる」というわけでもありません。学費は高額であり、食材の調達も日本食なども場合、それなりに高くつきます。また、車の故障等、予期せぬ出費への備えも必要です。
わが家の生活費ですが、家賃と学費を除いて約RM8,000/月でした。食費・日用品・外食・交通・娯楽などの支出を振り返った、おおよその金額です。(RMはマレーシア・リンギット。月により増減するので参考値です。)
このうち食費はRM3,000〜3,500程度でした。基本は自炊で、夫と子どもたちはお弁当。週末には自炊のほか、ローカルの飲食店やファーストフードを利用し、デリバリー(Grab)も使っていました。仕事上の会食分は、この食費には含めていません。
日本食レストランは日常的に通うには高く感じましたが、ときにはうどんや寿司、ラーメンなども楽しみました。日本式のベーカリーもよく利用しました。現地の食事と、慣れ親しんだ味を組み合わせて暮らしていた、という感覚です。
費目別の参考額
以下に我が家における費目ごとのざっくりとした費用をお示しします。月額・年額・一時的な費用が混在してますが参考としていただければと思います。
※家計簿の内訳表ではないため、各行を足した金額が生活費の総額になるわけではありません。また、家賃は当時の周囲のご家庭を見た印象で、わが家の実際の家賃ではありません。
| 費目 | 参考額・前提 |
|---|---|
| 家賃 | 約RM5,000〜9,000/月。当時の日本人の世帯家賃で多いと感じた範囲 |
| 住居の初期費用 | 我が家では、家賃3.5か月分(各種デポジット+1ヶ月分の前払い家賃)に加え、印紙税及び仲介手数料(こちらは数百リンギ程度。) |
| 電気代 | わが家では、引越し前RM300〜400/月、引越し後RM600〜700/月。光熱費は、エアコンの性能が大きく影響。 |
| ガス・水道・下水代 | ガス:約RM20/月、水道:約RM50〜70/月、下水:約RM70/3ヶ月ごと。 |
| インター校の授業料 | 学校比較記事記載の7校の学費は、RM40,500〜115,600/年(Year 1、2026/2027年度の場合。) |
| 日本人学校の授業料 | RM1,670/月、RM20,040/年(小学部、2026年度の場合。) |
| スクールバス | わが家では子ども2人分で約RM12,000/年 |
| 医療費の一例 | 子どもの風邪の再診で、1回あたりの診察・薬代が約RM200(クリニック利用時)。検査や治療内容で異なります |
なお、学校については、授業料とは別に入学金・デポジット・通学費・施設利用料などもかかるため、詳しくは各校のHPを確認してください。
また、予算を考える上では、家賃や学費、交通費、医療費などを勤務先からの補助や保険等でどこまでまかなえるか確認する必要があります。
住まい・食・学校・医療
住まい|コンドの共用施設が、子どもの日常の習い事や遊び場に
わが家が暮らしたのは、家具・家電付きのコンドミニアムです。広い部屋に加えて、プールやジム、スポーツの施設があり、共用施設は遊び場や習い事の場にもなりました。
一方で、水回りやエアコン、家具の不具合、虫のへの対応なども経験しました。引越しも経験しましたが、いずれも物件でも内見の楽しさと、入居時の設備確認・住んでからのメンテナンスはセットでした。以下の記事にて、物件探し、家賃、ネット回線の手配、各種メンテナンス・トラブル対応、退去までの実体験をまとめています。
→ マレーシアのコンドミニアム暮らしのリアル|家賃相場・設備・入居・退去の手続きまで
食|日本食もローカルの食事も、組み合わせて楽しみました
マレー系・中華系・インド系などの多様な料理は、駐在生活の楽しみの一つでした。ただ、辛さや甘さが合わないものも多々あり、日本食を食べたくなる日もあります。(健康的な食生活といった意味でも、日本食が欲しくなります。)
クアラルンプールでは日本の食材もかなり手に入りました。日本からの輸入品は高めですが、現地の食材や現地・近隣国で日系メーカーが製造している食品や調味料を選ぶと、費用を抑えやすくなります。「何を持参するか」の前に「現地で何が買えるか」を知っておくと、荷物も考えやすいと思います。
→ マレーシアの日本食調達ガイド|駐在3年でわかった「手に入るもの・入らないもの」
学校|学費だけでなく、子どもとの相性と通学も勘案
わが家は日本人学校やインター校を調べ、未就学の子にはナーサリーも検討したうえで、兄妹とも同じインター校を選びました。英語力ゼロからのスタートでしたが、現地を見学したことと1日体験で子どもたちの反応を確かめたことが、判断の決め手になりました。
学校によって校風・費用・英語へのサポートは異なります。学年の始まり月も日本と違うため、子どもに合う環境か、住まいから無理なく通えるかも大事な観点でした。
→ マレーシアのインター校・日本人学校・ナーサリー比較|調べて・見て・選んだ記録
また、インター校に通う間は、日本語の学習を家庭でどう補うかも課題でした。わが家が取り入れたものの一つが、日本の通信教育の受講です。料金や配送、続けて感じたことは別記事で紹介しています。
→こどもちゃれんじ海外受講の体験記|マレーシアで3年続けてわかった料金・配送・効果のリアル
医療|日本語対応の私立病院・クリニックを利用
駐在中、約3年間で家族合計20回ほど病院にかかり、子どもの入院も経験しました。わが家が利用した私立病院やクリニックでは、日本語での対応もしており、医療面で大きく困った経験はありませんでした。
ただ、受診先や費用、保険対応の可否については予め確認が必要です。また、緊急時の搬送先については、予め控えておく必要があります。日常の受診先と、夜間・緊急時の連絡先を家族で共有するところから準備しておくとよいと思います。
→ マレーシアの医療・病院事情|駐在3年・家族で利用したリアル
医療機関や救急対応の最新情報は、外務省「世界の医療事情(マレーシア)」を参照してください。
移動・通学|車・Grab・スクールバスを使った実感
わが家は前任者から車を購入し、帰任時には後任者へ売却しました。一方、周囲には車を持たずに生活する方もいました。車の必要性は、住まいと職場・学校・買い物先の位置関係によって変わると思います。
Grab|手軽だけど料金と待ち時間は不安定
滞在当時の感覚では、クアラルンプール市内の10分程度の短距離で、料金はRM8〜25ほどでした。金額に幅がありますが、朝夕の混雑時や雨天時、イベント終了時などは料金が上がり、車がつかまりにくくなります。
車は便利でしたが、運転マナーな道路状況など日本とは異なるため、運転時には色々と気を遣いました。車を持つかどうかは、どういった生活スタイルにするかに直結するため、住まい選びと一緒に考えたい点です。
なお、外国運転免許証からマレーシアの運転免許証の切り替えですが、2025年5月19日より停止されています。一部の免除対象者を除き、マレーシアで運転するためには、国際免許証(入国から12ヶ月以内)またはマレーシア運転免許証の取得が必要となります。詳しくは、在マレーシア日本国大使館の掲載情報やマレーシア道路交通局発表の情報をご参照ください。
スクールバス|費用は要確認、毎日の送り迎えも必要
子どもたちの通学にはスクールバスを使い、費用は2人分で年間約RM12,000でした。距離などで料金は変わるため、学校への確認が必要です。
帰宅時は毎回、親が迎えに出ていました。雨や渋滞で到着が遅れることもありましたが、子供にGPS端末を持たせておくことでオンタイムで迎えに行くことができました。学校選びでは通学時間だけでなく、居住場所にスクールバスが来るか、バスの乗降場所と親の送り迎えの動きはどうなるかも確認しておくと、日々の暮らしをイメージしやすいかと思います。

治安と安全対策|スリ被害をきっかけに意識が変わる
わたしは渡航して間もない頃、スリの被害に遭いました。それ以降、貴重品を体の前で持つこと、携行するカードや現金を必要最小限にすることを徹底し、帰国まで再び被害に遭うことはありませんでした。
また、被害には絶対に遭わないようにと安全対策も見直しました。子どもから目を離さず、人の多い場所では手をつなぐ。コンド内でも油断しない。そうした日常の備えと、大使館からのお知らせが役立ちました。被害後の手続きやGPS端末選びの反省も、個別記事にまとめています。
→ マレーシアの治安と安全|駐在3年、スリ被害から学んだ備え
言葉|英語は広く通じるも、場面による違いがあり
我が家の経験ですが、クアラルンプールでは、仕事や学校、住まいの契約など、しっかりした意思疎通が必要な場面では、ほぼ英語が通じました。一方、ローカルの飲食店やGrab、地方への旅行では通じないこともありましたが、注文や目的地の確認などは、指差しや短いやり取りで済むため、余り不便を感じることはありませんでした。
また、こちらが話す英語ですが、流暢でなくても、一生懸命聞いてくださる方が多かったと感じました。マレーシアの方々にとっても、英語は第一言語ではないため、英語力については非常に寛容だと思いました。
こちらの個別記事には、マレーシアで英語がどこまで通じたか、実体験を記載しました。
人とのつながり|コミュニティが広がっていったきっかけ
知り合いは、職場だけでなく、学校行事や子どもの友達、コンドミニアム、スポーツ・文化活動などから増えていきました。家族の誰かが仲良くなると、そこから家族ぐるみのお付き合いへ広がることも多かったです。
日本人の方々とのつながりには、生活情報や習い事などで本当に助けられました。生活圏が重なって少し気疲れすることもありましたが、KLの日本人コミュニティは、狭すぎず、大きすぎず、丁度良いサイズだと感じました。(個人の体感です。)学校や趣味で出会ったローカルの方や外国人の方との交流も、帰国後まで続く大切な経験になりました。
→ マレーシアでの人との繋がり|知り合いはどうやってできたか【日本人・外国人・ローカルコミュニティ】
本帰国の準備|帰国子女の課題
駐在生活を振り返るうえで、本帰国の大変さも外せません。仕事や学校生活が続く中で、退去・荷造り・転校・車の処分・お金周りの手続きなどを進めました。
わが家では帰国後もデポジットの返金や精算が続き、現地口座に残ったお金をWiseで日本へ送りました。帰国までだけでなく、その後の精算まで考えておくことも必要でした。
→ マレーシアから日本へ、本帰国のリアル|引越し・手続き・生活立ち上げまでの帰任の記録
さらに、帰国後は子どもたちの日本の学校への適応や、英語力の維持という新しい課題がありました。現地の学校選びを考える方にも、帰国後の様子を知る材料になればと思います。
→ 帰国子女の日本の小学校適応、わが家の記録|編入から1年、何が起きて今どうなっているか
→ 帰国子女の英語維持、わが家の記録|何を試し、1年たって今どうなっているか
これから赴任される方へ|家族帯同で暮らしてみて
マレーシア赴任が決まり、家族で渡航すべきか、単身で行くべきかなど悩まれている方もいらっしゃると思います。実際にクアラルンプールで家族で約3年間暮らしてみて、良かったと思うこと、大変だと思うことについてまとめましたのでご参考にしていただけると幸いです。
→海外赴任に家族で帯同して良かったこと・大変だったこと|マレーシア3年間のリアルな本音
また、赴任準備についても、特に家族帯同だと調べることや準備すべきことが多く、大変だと思います。赴任準備にあたり、我が家が行ったことをまとめましたのでこちらもご参照いただけますと幸いです。
→海外赴任の準備リスト|マレーシア赴任を経験した転勤族ファミリーがやったこと全部まとめました
3年間を振り返ると、大変なことはあっても、クアラルンプールはわが家にとって暮らしやすく、多くの出会いに恵まれた場所でした。住まいや学校、家族の過ごし方により、暮らし方も様々だと思いますが、この記録が、これから始まる生活を思い描く手がかりになれば嬉しいです。
