著者:ひまわり
こんな方にこの記事が役立ちます
・マレーシア赴任が決まり、子どもの学校選びを控えている方
・インター校・日本人学校・ナーサリーの違いと費用感を知りたい方
・英語力ゼロでインター校に入れるのか不安な方
・学校選びの進め方(情報収集〜見学〜体験)を知りたい方
海外赴任が決まったとき、家族にとって最大のテーマのひとつが「子どもの学校をどうするか」です。
わが家では、マレーシア赴任が決まってから、日本にいる間に情報収集を始め、現地で複数の学校を見学し、1日体験を経て、子どもたちをインター校に編入させました。約3年間の滞在を通じて、学校選びについて調べたことや経験したことをこの記事にまとめます。
なお、この記事は、わが家が実際に経験したこと(インター校への編入・通学)と、調べた情報・見聞きした話(各校の学費・日本人学校・ナーサリー)を、区別してお伝えします。学費等の金額はすべて各校の公式サイト等で公表されている情報に基づきます(変更される可能性があるため、最新は必ず各校のサイトでご確認ください)。
子どもの学校、選択肢の全体像
クアラルンプールでの就学・就園の選択肢ですが、ざっくり次のとおりになると思います。

このほかローカル校や中華系の学校などもありますが、日本人駐在員で通わせている方には、わたしはお会いしたことがありません。実質的には上の3つ(小学生以上ならナーサリーを除く2つ)の選択肢から選ぶことになると思います。
わが家の選択:兄妹とも同じインター校へ
わが家は、上の子(小学1年生相当)・下の子(年中相当)ともにインター校を選びました。
下の子はナーサリーも選択肢にありましたが、それでも同じインター校にしたのは、兄妹で送迎のスクールバスが同じ・学校行事(クリスマスイベントや運動会)が同じ日になることでオペレーションがしやすいのと、ナーサリーから小学校に上がるタイミングで転校のストレスがないことが理由です。
インター校を選んだ理由は4つあります。英語力をつけたかったこと。外国人の子どもたちと壁を感じずにコミュニケーションできるようになってほしかったこと。海外勤務では、幾分かの手当により通わせることが可能であったこと(欧米に比べるとマレーシアのインター校のコストは安い傾向にあります。)。そして調べた結果、英語力が低くても通えそうだと分かったことです。

インター校|英国系・米国系・豪州系に大別
ひとえにインター校といっても様々で、教育内容も費用も大きく異なりますが、ざっくり、英国系・米国系・豪州系に大別されます。それぞれの学校を実際に見学して感じた、系統ごとの特徴は次のとおりです。なお、同じ系統でも学校による差異は大きいため、あくまでイメージです。
- 英国系:アカデミックな雰囲気。学力の積み上げを重視
- 米国系:自由度の高い雰囲気。個性を伸ばすことを重視
- 豪州系:体験学習など実践的な学びを通じて、のびのび育てることを重視
各インター校の校風と公表学費
クアラルンプールおよびその近郊で、日本人の方が通われていると具体的に聞いたことのある学校を紹介します(なお、インター校の選択肢は他にもあります。)。
学費は2026/2027年度・Year1の年間学費(各校公式サイトの公表情報)での比較です。なお、Year 1に入る年齢は学校によって若干異なる点にご留意ください。
英国系
| 学校 | 場所 | Year1 年間学費 | 校風の印象 |
|---|---|---|---|
| Garden International School | Mont Kiara | RM85,590 | 英国系の名門。文武両道・学力重視で洗練された校風。モントキアラ在住者には通いやすい。 |
| The International School @ Parkcity | Desa Parkcity | RM40,500 | 温かい雰囲気で先生との距離が近くコミュニティ感が強い。比較的新しく、インター校の中では学費が安め |
| Alice Smith School | Bukit Petaling(幼稚園〜小学校キャンパス) | RM89,070 | 伝統の名門校。落ち着いた雰囲気と規律・知性のある学校 |
| British International School of Kuala Lumpur(BSKL) | Bandar Utama | RM72,370 | 格式高い英国の名門。施設・学習環境・進学意識が高い王道のブリティッシュスクール |
米国系
| 学校 | 場所 | Year1 年間学費 | 校風の印象 |
|---|---|---|---|
| International School of Kuala Lumpur(ISKL) | Ampang | RM115,600 | 大規模・多国籍。アメリカンスクールらしく自由な挑戦を重視。KLCCからのアクセス良好。学費はKL最高レベル |
| Mont’Kiara International School(M’KIS) | Mont Kiara | RM106,204 | ISKLより小規模でアットホーム感あり。自由でのびのびと子供を伸ばす校風。モントキアラから通いやすい。学費は高め |
豪州系
| 学校 | 場所 | Year1 年間学費 | 校風の印象 |
|---|---|---|---|
| Australian International School Malaysia(AISM) | Mines Resort City | RM62,640 | 勉強だけでなく体験学習も重視。アットホームでのびのび育てる校風。KLからのアクセスはやや遠い |
※学費のほかに、申込金・入学金・デポジット・スクールバス代・その他各種費用などがかかります。詳しくは各校のサイトでご確認ください。
英語ゼロで入れるのか|答えは「学校と学年による」
赴任前のわが家の最大の不安がこれでした。実際に調べて、見て、通わせて分かったことをお伝えします。
基本的に、どの学校にも日本人を含む英語ネイティブでない子どもたちが通っており、そうした子ども向けのEAL(English as an Additional Language:英語を母語としない子への英語サポート)クラスが設けられています。英語が苦手な子へのサポート体制は、どこも用意されています。
ただし、以下の2つの観点で難易度が変わるかと思います。
学校による差:一部の英国系など、学力・進路に力を入れている学校は、実態として求められる英語力の水準が高く、入学・編入時に一定の英語力が必要です。
学年による差:小学1年生と中学生では状況がまったく異なります。学年が上がるほど学習内容が高度化し、求められる語学力も上がるため、英語力が低い場合の編入のハードルは高くなります。逆に、ナーサリー・幼稚園であればハードルはほとんどなく、小学校低学年でもハードルは比較的低いと感じます。
見落としがちな注意点:学年の始まりのズレ
各校の学年の始まりの時期は異なります(8月始まり、1月始まりなど)。日本は4月始まりのため、誕生月によっては日本と学年がずれる可能性があります。
学校によっては事情を話せば1つ上・下の学年に調整してもらうことも可能ですが、その場合はインター校の同級生と年齢が少しずれます。子どもの成長の様子や学びの内容を踏まえた判断が必要です。
実はわが家も、この課題に直面しました。日本の学年に合わせようと(といっても厳密に合うわけではありませんが。)、当初子供を1つ上の学年に入れたのですが、ついていくのが難しくなり、その後学校の助言もあって学年を1つ落としました(年齢に見合った学年に戻しました)。その後は楽しく通えましたが、無理に日本の学年に合わせることがいいとは限らない——これはわが家が身をもって経験したことです。
日本人は多い?|入れ替わりが激しく、時期で変わる
「日本人が多い学校か」を気にされる方もいらっしゃると思います。3年間見てきた実感をお伝えします。
日本人は駐在員の子ども・母子留学の方が多く、駐在期間は2〜4年の方が多い印象で、入れ替わりが激しいのが実情です。各校の日本人数も増えたり減ったりとまちまちです。
また、小規模な学校・クラスほど、1〜2人の増減で「多くなった・少なくなった」の印象が大きく変わります(1学年20名ほどの学校なら、2人増えただけでかなり多くなる印象になるかと思います)。
わが家の経験でも、約3年間の滞在中、日本人の入れ替わりは多くありました。当初、上の子のクラスには日本人の同級生が何名かおり、下の子のクラスにはいませんでした。ただ、どちらのクラスも在学中に人数が変動し、「多いな」と思う時期と「あまりいないな」と思う時期の両方がありました。
なお、数字的な根拠はない個人的な所感になりですが、3年間の滞在で「日本人がそれなりに多くいらっしゃるな」と感じたのは、Garden International School、The International School @ Parkcity、Australian International School Malaysiaです(もちろん他のインター校にも日本人はいらっしゃいますが、感覚的に多かったイメージです。網羅的に知っているわけではなく、あくまで個人の所感ですのでその点ご容赦ください)。
日本人学校|日本の教育をそのままに、編入もスムーズ
クアラルンプール日本人学校は、クアラルンプール日本人会が1966年に設立した私立学校です。在校数は幼稚部66名・小学部367名・中学部111名です(令和8年4月13日現在)。
現在はSubangにあり、広大な敷地と充実した設備が魅力です。日本で受けられる教育をそのままに、海外ならではの異文化・多言語に触れながら国際色のある教育を受けられます。日本の学校と同等の教育を受けられるため、日本国内の学校との編入学がスムーズであり、帰国を前提とする駐在家庭にとって、これは大きな安心材料です。
学費は小学部で月RM1,670(年間RM20,040・2026年度)。インター校(Year1でRM40,500〜115,600)と比べると大幅に安価です。なお、入学金・PTA会費・学校維持資金負担金・スクールバス代など別途費用がかかるほか、クアラルンプール日本人会への入会が必須条件です(日本人会によって設立されたため。)。詳しくは学校のHPをご参照ください。
立地はKL中心部からやや離れており、スクールバスで通われる方が多い印象です。特に、高級住宅街のモントキアラは、日本人学校へのスクールバスが出ていること、モール・スーパー・レストランが揃い生活しやすいことなどから日本人が多く住んでおり、日本人学校に通うご家庭も多いです。
個人的な感想ですが、児童・生徒さんの学力のレベルは、標準的な日本の公立校と比べると非常に高いように見受けられます。海外駐在員のお子さんたちが通われており、ご家庭も含めた教育水準が高いのだと推察しています。
ナーサリー(プレスクール)|未就学児の選択肢は豊富
未就学児には、日本人学校の幼稚部(年少〜)、各インター校併設のプレスクールのほか、ナーサリーが多数あります(何歳から通えるかは各校のHPをご確認ください)。
わたし自身、ナーサリーに深い知見があるわけではないので、直接お話を聞いたことのある2校のみ、ご紹介します。
Tree Top House(KLCC近く)
Tree Top Houseは、KLCCから比較的アクセスの良いプレスクール。18ヶ月〜2歳のToddler、3〜4歳のPreschool、5歳児のKindergarten 1、6歳児のKindergarten 2のクラスがあります(小学生向けクラスはなし)。
自信と自立心、肯定的な自己イメージを育むモンテッソーリ教育の環境が特徴。独立した建物で、それなりの広さの園庭もあります。
費用は、入園時にRegistration Fee RM600、Apparatus Fee RM1,000がかかります。プログラムは3種類あり、各々Term(4ヶ月)あたりの料金は以下のとおりです。
- Morning(8:30〜12:30/13:00):RM5,400/term
- Half Day(8:30〜15:00) :RM7,890
- Full Day(8:30〜18:30) :RM9,410
※食事代込み・2026年7月現在。別途School Kit(制服・カバン等の学用品代)などがかかります。詳細及び最新情報は公式HPでご確認ください。
Anakku(Mont Kiara・Arcoris内)
Anakkuは、モントキアラのArcoris内にあるプレスクール。こちらもモンテッソーリ・プログラムに基づき自立を促す教育で、言語・算数などの学習に加えて音楽・運動・文化教育にも力を入れています。対象年齢は1.5〜6.5歳です。
独立した建物ではないため園庭はありませんが、オープンで広い空間となっています。通わせていた方からは「割と勉強にも力を入れており、インター校入学前の準備校として良かった」という話を聞いたことがあります。料金は公式サイトからは確認できないため、関心のある方は直接お問い合わせください。
なお、両校とも、通わせている方から大きく困ったといった話は聞いたことがありません。実際に検討する際は、施設と連絡をとり、一度見学されることをおすすめします。
わが家の学校選びの進め方|4つのステップ
わが家が実際に行った学校選びのプロセスです。日本にいる間から着手しました。
- ブログ・YouTube・公式サイトで候補を絞る(マレーシアは人気があり、日本語の情報がそれなりに豊富です)
- 候補校に直接メールで問い合わせる(必要な英語力・定員の空き・見学の予約など)
- 実際に学校見学に行く(校内の雰囲気・先生や在校生の様子を確認)
- 1日体験入学をする(子どもを実際に連れて行き、反応を見る)
わが家の子どもたちも、1日体験では最初こそ警戒していましたが、体験してみると好反応で、それが編入の決め手になりました。英語の壁で嫌がるかと思いましたが、体験した学校は、英語が分からずとも楽しく過ごせる雰囲気があり、比較的スムーズに進みました。

まとめ|候補は絞れる。でも、最後は「実際に見る」
「どんなご家庭にどの学校が向くか」——正直に言うと、これは一概に答えられない問いです。
ここまで書いたとおり、学力に力を入れる学校、自由な校風の学校、アットホームな学校、体験を重視する学校と様々です。ご家庭の考え方やお子さんの性格によって、候補をある程度絞ることが最初のプロセスになるかと思います。是非、この記事の内容もご参考にしてもらえると嬉しいです。
ただ、実際の「合う・合わない」や「どちらの学校が良いか」は、実際に見るしかないと思います。事前にネットで調べて、想像していたイメージとはだいぶ違うということも起こりえます。
百聞は一見にしかず。実際に学校に行き、学校の方と話し、1日体験をする。わが家も複数の学校を見に行き(基本的にどこも好印象でした)、「ここに通わせたい」と思ったところで1日体験をして、編入を決めました。ネットで調べるよりも、実際に現地に行くことが勝る——これがわが家の実感です。
これから学校選びをされるご家庭にとって、この記事がその第一歩の材料になれば幸いです。
マレーシアの学校生活・住まいについては、こちらの記事もあわせてお読みください。


