著者:ひまわり
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こんな方にこの記事が役立ちます
・海外・インター校から日本の小学校への編入を控えている方
・帰国子女の子どもが日本の学校になじめるか不安な方
・何が起きて、親は何をすればいいのか、全体像をつかみたい方
「日本の学校に、なじめるだろうか」
マレーシアのインター校に約3年間通った子どもたちを連れて帰国するとき、英語のこと以上に不安だったのが、日本の小学校への適応でした。日本語の授業についていけるか。友達はできるか。学校生活そのものを楽しめるか。
編入から、ちょうど1年。この記事は、わが家の子どもたちに何が起きて、親として何をして、今どうなっているかの記録です。
結論を先に言うと、つまずきはたくさんありました。学校に行きたがらず夜中まで泣いた日も、登校に付き添いが必要だった時期もありました。それでも1年たった今、子どもたちは毎日楽しく学校に通っています。
この記事は「帰国後適応」の全体像をまとめました。それぞれのつまずきや対応の詳細は、個別の記事に記載しています。また、今後も、わが家の現在地を追記して更新していく予定です。同じような境遇にいる方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
2026-07:編入から1年時点の記録として公開
※本記事は実際の体験に基づく個人の記録です。子どもの性格・学年・滞在期間によって適応の道のりは異なります。ひとつの例としてお読みください。

編入直後、何が起きたか
最初に、わが家に起きたことを時系列でまとめます。
編入直後、最大の壁は英語ではなく国語でした。下の子(帰国時低学年)は「カタカナと漢字が読めない」状態から学校生活が始まり、授業についていけない日々。深夜まで泣いた日もあり、学校に行くことが辛くなって、親の付き添い登校が必要になった時期もあります。
また、学校文化そのものの違いについても戸惑いがありました。授業の進め方、運動会、給食や掃除の文化。そして、インター校ではアプリで毎日見えていた学校生活が、日本では見えにくくなったこと。子どもの異変に気付くのが遅れた一因は、この「見えなさ」にありました。
つまずきごとに、わが家がやったこと
1年間の主なつまずきと、どのように向き合ったかを一覧にまとめました。詳細は各記事でお伝えしています。
| つまずき・課題 | わが家の対応 | 詳細記事 |
|---|---|---|
| 国語(カタカナ・漢字) | 宿題(漢字練習、音読)、読書習慣 | 国語についていけなかった話 |
| 学校に行きたがらない | 学習フォロー、付き添い登校、友達との時間 | 学校に行きたがらなくなった話 |
| 学校生活が見えない | 会話の入り口づくり | 親と学校の距離感の違い |
| 学校文化のギャップ | 違いをよく理解する | 編入で感じたギャップ |
| 渡航中の学習フォロー、帰国後の家庭学習 | 渡航中:日本の教科書+通信教育 帰国後:宿題、読書、新聞購読 | 日本の公立校へ転校して分かったこと |
| 算数(得意を保つ) | 学校+プラスアルファの学習 | 算数好きの息子の記録 |
国語のつまずきには、宿題と音読の反復
下の子は「カタカナと漢字が読めない」状態からのスタートでした。特別なことはせず、毎日の宿題と音読をコツコツ続けることを軸に、図書館での読書習慣を組み合わせました。約3ヶ月で、日本語で困ることはほとんどなくなりました。詳しくはこちらの記事にまとめています。
「学校に行きたくない」には、寄り添いと友達の時間
学習のつまずきは、登校しぶりにつながりました。付き添い登校で寄り添いながら、友達と遊ぶ時間を大切にすることを意識しました。振り返ると、回復の一番のきっかけは友達でした。経緯はこちらの記事に詳しくまとめています。
「学校が見えない」には、会話の入り口づくり
インター校時代はアプリを通じて日々見えていた学校生活が、日本では中々見えないといった課題もありました。子供への質問が、具体の学校での出来事から「今日どうだった?」と抽象的になり、子どもも余り答えてくれない。わが家は習い事や友達との遊びなど、親にも見える活動を会話の入り口にする方針に切り替えました。詳しくはこちらの記事をご参照ください。
学校文化のギャップは、知っておくだけで構えられる
授業スタイル・運動会・給食当番。日本の学校とインター校では、学校生活の文化そのものが大きく違いました。どんな違いがあるかを予め知っておくだけで、親も子も心の準備ができます。日本の学校への編入で感じたギャップについてはこちらの記事にまとめています。
渡航中の日本の学習フォロー・帰国後の家庭学習
マレーシア渡航中から、将来の帰国に備えて、日本の教科書と通信教育(進研ゼミ
)での学習を組み合わせて準備をしました。また、帰国後は日本語力が大きな課題でしたが、宿題(漢字書き取り、音読など)や読書週間、朝日小学生新聞の購読で対応しました。詳細はこちらの記事で。
得意な算数は、学校の学習+少しのプラスアルファ
一方で、インター校で上の子が伸ばした算数の「得意」は、日本でも支えになりました。学校の学習を軸に、本人の興味に合わせて少しだけ先取りも。詳しくはこちらの記事で。
1年たって、子どもたちは今
「適応できた」と言い切れる現在地
結論から言うと、学校生活への適応は、できたと言い切れます。
毎日楽しく学校に通い、学習面でも特段の不便を感じていません。学校の外でも、友達と遊び、月1回の自然体験教室や卓球教室など、活動が充実しています。関西圏に住むのは家族全員初めてでしたが、子どもたちはすっかり関西弁で話すようになり、友達関係でも特段の課題は感じていません。
ただし、親が学校の中の様子をつぶさに把握できているわけではなく、課題を見過ごしている可能性は否定できません。「見えにくさ」は今も続く課題です。だからこそ、会話の入り口づくりなど、子供達が感じていることを理解するための取り組みはこれからも続けていくつもりです。
二人で違った、適応までの道のり
二人の子供達のつまずいた場所、適応までの課題は異なりました。
下の子は、学校生活そのものでつまずきました。国語がわからない、学校に行きたくない——しかし仲の良い友達ができ、放課後に一緒に遊ぶようになってから一気に世界が変わり、3〜4ヶ月で山を越えました。幼い分、慣れるのも早かったように思います。
上の子は、学校の勉強について当初苦労はありましたが、学校に行くこと自体には大きなつまずきがありませんでした。一方で、学校の外の新しい活動に対して、当初とても消極的でした。オンライン英会話も、アウトドア教室も、卓球も、最初は軒並み嫌がり、家にいる時間が長くて心配した時期があります。
親としては半ば無理やりでしたが、いろいろな教室を調べ、体験させ、本人が楽しめる場を一緒に探していきました(当初かなり抵抗されました)。その後、学校の外にも居場所ができて、生活全体が充実したと言えるまでには、1年近くかかったと思います。
つまずく場所やかかる時間は、性格や年齢によって全く違う——これが1年を振り返っての実感です。
参考:帰国後の生活を支えたもの
振り返って、子どもたちの帰国後の適応を支えたと感じるものを4つ挙げます。もちろん、ご家庭の状況や子供達の興味・関心は各々異なるため、ほんのご参考です。
・オンライン英会話(クラウティ)
我が家での英語維持の取組の要です。1日10分、家族で分け合いながら毎日続けています。詳しくはこちらの記事をご参照ください。
・学校の宿題・音読
特に初期の日本語のつまずきに、一番効いたと感じるのがこれです。基本的なことですが、宿題(漢字の書き取りなど)を通じて習ったことを復習すること、そして音読を反復練習することの効果は絶大と実感しました。
・朝日小学生新聞
上の子ですが、帰国時は国語が大きな課題でしたが、その他にも日本の地理や地域、文化、産業などが分からず、社会のテストでもかなり苦戦をしていました。(学習していなかったため当たり前ですが。)そこで日本の社会のことに興味・関心を持ってもらいたいこと、日本語の文章を読む習慣をつけてもらいたいことにより朝日小学生新聞を購読しています。
・自然体験学習(日帰りキャンプ)
月1回ですが、学校以外のコミュニティに「楽しめる居場所」があること。日本の自然を五感で体感しながら学べることは、マレーシアではできなかった貴重な経験です。夏休みには宿泊キャンプにも参加しています。
残る課題は、やはり英語
日本での学習・課外活動が安定してきた一方で、マレーシアで培った英語力が徐々に落ちてきていることは否めません。これからの大きな課題は、英語の維持だと考えています。
英語維持への取り組みと1年たった現在地は、本記事とは別の記事でまとめていますのでご参照ください。→ 帰国子女の英語維持、わが家の記録
これから帰国・日本の学校への編入を迎える方へ
1年の経験から、時期ごとに親として行ったことをまとめました。
帰国前(海外にいるうち)
帰国して改めて感じましたが、現地でしかできないことを思いっきり楽しむのが大切です。友達との交流、旅行、食事、自然・文化体験。振り返ってみても、海外生活は何物にも代えがたい貴重な時間でした。ひとつ「やっておけば」と思ったのは、オンライン英会話を渡航中の終盤から始めておいてもよかったなと思いました。帰国後は生活が激変する中で新しいことを始めるのはエネルギーが要り、わが家は開始までに期間を要したうえ、始めることに対して、子どもたちの抵抗にもあいました。帰国してから行いたいことで海外にいる時からはじめられることは、海外にいるうちに習慣化しておくと、帰国後もスムーズに取り組めていたかもしれません。(帰国が迫るとそんな余裕はないかもしれませんが。)
編入直後〜3ヶ月
生活環境の激変、所属のコミュニティ・人間関係の一新、学習内容や学校文化のギャップにより、大きなストレスを感じる時期です。我が家でも授業(特に国語)のつまずき、登校することの辛さが出た時期です。宿題(漢字書き取りなど)と音読の反復による日本の学習の積み重ね、そして子どもに寄り添う時間を最優先に。友達ができると、世界は一気に変わります。
3ヶ月〜1年
学校生活が回り始めたら、学校の外での居場所づくりをしました。我が子は日本での新しい活動に対して消極的な姿勢も示しましたが、焦らず、様々な体験を重ねながら、本人が安心していられる場所を一緒に探しました。
それなりにつまづきも多く、うまくいったとは胸を張って言えません。ですが、子どもの適応力は親が思うよりずっと強く、1年が経ち、壁は乗り越えていけたと感じています。
わが家の記録が、これから同じような境遇にいる方の参考に少しでもなれば嬉しいです。


