著者:ひまわり
こんな方にこの記事が役立ちます
・マレーシア赴任が決まり、子供の学校をどうするか悩んでいる
・インター校に興味があるが費用やレベルが心配
・英語ゼロの子供をインター校に通わせて大丈夫か知りたい
・インター校での約3年間でどんな成長があるか気になる
「英語が全くできない子供を、海外のインターナショナルスクールに通わせて大丈夫だろうか」
マレーシアへの赴任が決まったとき、私たち夫婦が最初に感じたのはこの不安でした。
結論から言えば、英語ゼロでも大丈夫でした。そしてインター校での約3年間は、英語力を超えた、子供たちの人生に刻まれるかけがえのない体験になりました。
この記事では、2022年〜2025年にマレーシアのインターナショナルスクールに子供たちを通わせた実体験をもとに、学校選びの方法・入学直後の現実・英語力の変化・費用の実態・帰国後までを包み隠さずお伝えします。
※本記事は2022年〜2025年のマレーシア在住時の実体験に基づいています。学費・制度等は変更されている場合がありますので、最新情報は各校の公式サイトでご確認ください。
なぜマレーシアでインター校を選んだのか
マレーシアに赴任することが決まったとき、まず考えたのが子供の学校問題でした。クアラルンプールには日本人学校もあり、日本のカリキュラムで安心して学べる充実した環境が整っています。一方でインターナショナルスクールも数多くあり、どちらにするか駐在員家族で悩んでいる人も多いと思います。
私たちがインター校を選んだ理由は主に3つです。
- 英語力をつけてほしかった:せっかくの海外赴任、子供たちに本物の英語環境で学んでほしかった
- 外国人の子供たちと自然にコミュニケーションできる力をつけてほしかった:言葉の壁なく世界中の友達を作れる人間になってほしいという思い
- 費用面でのハードルが欧米と比べると低い:欧米のインター校と比べ、マレーシアは学費・物価ともに抑えられる。
なお、クアラルンプールには日本人学校もありますが、広くて設備も充実しており、安心して子供を通わせる素晴らしい学校だと思います。どちらを選んでもかけがえのない経験ができると感じましたが、我が家はインター校への挑戦を選びました。

インター校の選び方|情報収集から体験入学まで
クアラルンプールにはインター校が非常に多く、米国系・英国系・豪州系など、カリキュラムも学校の雰囲気もまったく異なります。最初はブログ・Youtube・各校の公式サイトなどで情報収集しましたが、ネットの情報だけではどこが自分の子供達に向いてるのか分からず、正直、悩みました。
私たちの情報収集ステップはこうでした。
- ブログ・YouTube・公式サイトで候補を絞る(マレーシアは人気があり、日本語の情報がそれなりに豊富でした)
- 候補校に直接メールで問い合わせ(必要な英語力・定員の空き・学校見学の予約など)
- 実際に学校見学に行く(校内の雰囲気・先生や在校生の様子を確認)
- 1日体験入学をする(子供たちを実際に連れて行き、反応を見る)
📌 学校選びで特に大切だと感じたこと
数字やブログの情報だけではわからないことがたくさんあります。実際に訪問して感じる「空気感」「先生の雰囲気」「子供達の様子」が最大の判断材料でした。また国籍の構成や日本人が多いか少ないかも、学校によって大きく異なります。同じ学校でも学年によって異なりますが、行ってみたら日本人が多かったなんて学校もあります。
注意点が2つ。①学校によっては一定の英語力が入学要件になっているところもあります(一方で英語力ゼロでも入れるところもあります)。②定員がいっぱいになっていることもあり、希望する学校には早めに直接確認することが大切です。
入学直後の現実|英語ゼロで飛び込んだ最初の数ヶ月
子供たちが入学したのは、上の子が小学校低学年、下の子が幼稚園のタイミングでした。入学前の英語力は2人ともほぼゼロ。英語の事前対策もしていませんでした。
上の子(低学年)の場合
たまたまクラスに日本人がいたこともあり、最初は日本人の子供たちと仲良くなることから始まりました。クラスメートが通訳のような役割を果たしてくれたことが、大きな助けになりました。
ただ、日本人同士で固まりすぎてしまった面もあり、担任の先生から「教室内は日本語禁止」というルールが設けられたこともありました。

最初に直面した大きな壁は、やはり英語でした。英語の授業だけでなく算数など他の科目も英語で学ぶため、本来算数自体が苦手でなくとも、英語で学ぶため算数が分からない。問題文が英語で読めないため解けないなど、英語の問題が他の科目でも障壁になってしまってました。
下の子(幼稚園)の場合
下の子の場合はクラスに日本人はおらず、慣れない、言葉の通じない環境下で、編入当初は学校に行きたくないと言ったり、学校で泣いてしまったりするつらい時期もありました。親としても胸が痛い時期でした。
ただ、小さな子供の適応力は目を見張るものがあります。泣いていた時期はそう長くは続きませんでした。クラスで自然と英語を耳から吸収して身につけていった結果、ネイティブのような英語の発音が出るようになっていきました。
言葉の壁を超えた「遊び」の力
2人に共通していたのは、遊びを通じて自然に外国人の友達ができていったことです。校内には「フォースクエア」というボールゲーム用のコートが複数あり、休み時間になると様々な学年・国籍の子供たちが入れ替わりながら遊んでいます。言葉が通じなくても、遊びの中で自然に仲良くなっていきました。
「言葉の壁があっても、子供は遊びでつながれる」——これは実際に見て、心から感心したことです。
英語サポート(EAL)と家庭教師
英語力が十分でない子供向けに、学校にはEAL(英語を母国語としない子供達向けの英語のサポート授業)が用意されていました(別料金)。上の子はこれに加えてマレーシア人の英語の家庭教師も依頼しました。
マレーシアは多民族国家で、マレー系・中華系・インド系など様々な民族が共存しており、英語が共通言語のような形で使われています。そのためマレーシアの方々は英語のリテラシーが非常に高く、英語の家庭教師を探すのは難しくなく、費用もそこそこに抑えられました。
EAL+家庭教師+親のフォローでサポートを続けたところ、約1年後には学校生活に支障のないレベルに到達。学校側からも「EALはもう不要」と言われ、サポートを卒業することができました。
約3年間での英語力の変化|成長のリアル
入学から約3年が経つ頃には、2人の英語力は別人のように変わっていました。
上の子の変化
英語力がついてきた頃から、後から入学してきた日本人の子供への通訳役を自然に担うようになりました。学校内で実施される英語力の評価テストでも、海外の子供たちと比べて遜色ないレベルに達し、授業も友達との会話もまったく困らない状態になっていました。
英語が分からず算数の問題が解けなかったあの頃が嘘のように、得意な算数の授業でも自信を持って取り組めるようになりました。
下の子の変化
早い段階から耳で英語を吸収していた下の子は、発音がネイティブかと思うほど自然になりました。EALも家庭教師も使わず、学校生活の中で自然に英語を習得していったことで、特に発音においては上の子を超える部分もあるほどです。
📌 低学年ほど英語の吸収が早い
今回の経験から強く感じたのは、年齢が低いほどインター校への適応はしやすいということ。上の子は編入時小学生であり、学習についていくため様々なサポートが必要でしたが、下の子はそういったことはせず、学校生活の中で自然に習得しました。高学年になると求められる学習内容も高度になるため、インター校への編入を検討するならやはり低学年のうちがハードルは低いと感じました。
インター校の費用【実際の学費】
費用について、年間授業料は以下のとおりでした。
| 子供 | 年間授業料(目安) |
|---|---|
| 上の子(低学年) | 約78,000リンギ/年 |
| 下の子(幼稚園) | 約66,000リンギ/年 |
2人合わせると年間140,000リンギ超。当時の為替レートで換算すると、年間500万円程度の出費になります。やはり費用負担は大きかったです。
さらに以下は授業料に含まれず、追加費用として発生します。
- EAL(英語を母国語としない子供達向けの英語のサポート授業)費用
- スクールバス代(バス通学の場合)
- CCA(課外活動・クラブ活動)費
- 宿泊学習費
- 制服・学用品など
⚠️ インター校の学費には大きなバラツキがあります
なお、クアラルンプールには、私たちが通った学校の学費を遥かに上回る学校もあります。一方で比較的通わせやすい価格帯の学校もあります。また母子留学などでマレーシアが人気の理由の一つが、欧米と比較した場合の費用の安さです。学校ごとに費用は大きく異なるため、必ず各校に直接確認してください。また、最近は学費が上昇傾向にありますので、最新の情報の確認が必要です。
英語以外で得られたもの|3年間で得たもの
帰国が近づいてきた頃、子供たちは「マレーシアに残りたい、この学校に通い続けたい」と言うようになっていました。
英語力がついたことはもちろんうれしかったですが、3年間を振り返ってみると、英語力以上に大きかったのは「日々の体験そのもの」だったと思います。
国籍・文化の壁がなくなった
マレーシアは多民族国家で、マレー系・中華系・インド系など、様々な文化・宗教・慣習を持つ人々が共存しています。インター校ではさらにそこに多国籍の外国人家族が加わります。子供たちはその中で約3年間を過ごし、国籍を問わず壁を作らずに自然に接することができる感覚を身につけました。

驚きの誕生日パーティー
通っていた学校では、子供の誕生日にクラス全員とその家族を自宅に招いてパーティーを開く方がたくさんいらっしゃいました。大きな一軒家やコンドミニアムのパーティスペースなどで、料理・飲み物を振る舞い、エンターテイメントを主催者が準備(バルーンアートなど作れる盛り上げ役のピエロを呼んだり、家庭用とは思えない規模の花火を上げたり)するなどします。子供達は1日遊び倒し(プールや遊具などが備え付けのコンドミニアムに住まわれている方が多いです。)、大人たちは料理やお酒を楽しみ会話に花を咲かせました。
様々なご家庭にご招待いただくたびに「おもてなしの心遣い」と「国籍など関係なく感じる温かさ」に感激しました。子供たちも本当に楽しそうで、こうして過ごした時間は英語力以上に、日本では中々得がたい貴重な体験でした。

帰国後の繋がり
日本に帰国した後も、マレーシアで仲良くなったマレーシア人の友達家族が日本まで会いにきてくれとても嬉しかったです。日々の学校生活・学校行事、外国人の友達家族との家族ぐるみのお付き合いなど、現地での1日1日が貴重で刺激的で、かけがえのないものであったと思います。

帰国・日本の公立小学校への転校
2025年に帰国し、子供たちは日本の公立小学校へ転校しました。インター校から日本の公立小学校への転校には、様々な課題があり、色々と大変でした。
転校の詳しい体験談(直面した課題・準備したこと・転校後の変化)については、別記事で詳しく書きたいと思います。
インター校への編入を考えている方々へ
自らの体験や反省を踏まえて、これから海外のインター校への編入を検討している方へご参考にしていただければと思うことをまとめます。
必ず学校への訪問を
学校選びですが、ブログや公式サイトだけではわからないことがたくさんあります。百聞は一見に如かず、実際に訪問して、空気感・先生の雰囲気・子供達の様子を自分の目で確かめるといいと思います。可能であれば1日体験入学もおすすめです。同じマレーシアのインター校でも、学校によって教育の内容・校風・国籍の構成(日本人比率含む。)は大きく異なるものだなと感じました。
早めに学校に直接問い合わせを
特に人気のインター校は学年によって定員がいっぱいになっていることもあります。入学要件(英語力の条件)や空き状況は学校により異なるため、赴任が決まったら早めに学校に直接連絡することをおすすめします。なお、タームブレイクに入ってしまうと、学校と連絡がつかなくなる場合もあるので要注意です。
最初の1年は覚悟が必要
終えてみるとかけがえのない経験でしたが、現地での日々は本当に大変でした。(特に編入当初。)。学校に行きたくないと泣く日や英語がわからなくて辛い思いをする日、学習へのやる気をなくす日もあります。日本の教育が手薄になることへの不安もあります。特に最初の1年間は、ただでさえ慣れない環境にいるのにそれに輪をかけて学校生活も大変となり、親の献身的なサポートと子供達の努力が不可欠です。
親の英語力
あたりまえですが、親の英語力はあるに越したことはありません。先生との面談・学校行事での親同士の交流・誕生日パーティーなど、学校生活で親が英語を使う機会は多いです。語学力は一朝一夕ではどうにもならないので、もっと早くから真面目に取り組んでいればよかったなと思いました。
とはいえ、マレーシア人の方にとってもそうですし、英語を第二言語としている外国人の親御さんも多くいます。たどたどしくても皆さん寛容で温かいので、流暢でなくても大丈夫です!
日本の学習フォロー
インター校に通う間、どうしても日本語の学習(国語・漢字など)が後回しになりがちです。海外駐在中でも在外公館(日本大使館など)で日本の教科書を無償で入手できますし(事前申込が必要)、通信教育の活用も一つの手です。現地の学習と日本の教育の両立は大変ですが、帰国後のことを考えると考えておく必要があると思います。
まとめ|インター校の約3年間が子供たちに残したもの
📌 この記事のまとめ
・英語ゼロでもインター校に入学できる(学校による)
・入学直後は大変だが、子供の適応力は想像以上
・低学年ほど英語習得が早く、1〜2年でめざましい成長がある
・学費は年間数百万円規模。費用は学校によって大きく異なる
・英語力以上に、現地での日々の体験・人との出会いが最大の財産
この記事が、同じ境遇にいる方の参考に少しでもなれば幸いです。

