著者:ひまわり
こんな方にこの記事が役立ちます
・インター校から日本の学校への転校に不安を感じている方
・帰国子女の日本語・学習フォローに悩んでいる方
・転校を繰り返す子どもの心のサポートに悩んでいる方
・インター校での経験が帰国後にどう活きるか気になる方
「インター校から日本の公立小学校に転校させて、ちゃんとついていけるだろうか…」
帰国前、わが家でも同じ不安を抱えていました。
マレーシアのインター校で約3年間を過ごした子どもたち。英語はインター校で学ぶ同級生に遜色ない水準まで伸びましたが、その分日本語の読み書きは余り学んでいない中での帰国でした。上の子(帰国時中学年)は低学年の漢字が分からず、下の子(同低学年)に至っては漢字はおろかカタカナも書けず、ひらがなもあやしい状況でした。
結論から言うと、転校直後は本当に大変でした。でも、数ヶ月後には子どもたちは元気に学校に通えるようになりました。
この記事では、実際に経験した「大変だったこと」と「行った対策」を正直にお伝えします。
※ 本記事は実際の体験に基づいていますが、海外生活の期間・転校先の環境・子どもの年齢や性格によって状況は異なりますので、一つの参考としてお読みください。

転校直後の状況
子どもたちの反応
子どもたちには「マレーシアは期間限定で、いずれ帰国する」とあらかじめ伝えていました。それでもいざ帰国が決まると、「マレーシアにいたい」「今の学校に通い続けたい」と離れたくない様子でした。
なお、転校先の公立小学校は、居住先の学区の関係で自動的に決まりました。
日本語の壁が最大の課題だった
転校後に最も大きかった課題は、日本語の壁です。
上の子は低学年の漢字がほとんど分からない状態、下の子は漢字が読めずカタカナは書けず、ひらがなも書くのに苦戦していました。日本のスクール形式の授業では全員が同じペースで進んでいきますが、読み書きができない状態ではついていくことが難しく、子どもたちにとって相当辛かったと思います。
転校してしばらくの間、下の子は「学校に行きたくない」と毎日言い、夜中まで泣くこともしばしばありました。登校時には数ヶ月間、学校まで親の付き添いが必要でした。

授業スタイルの違いにも戸惑った
インター校では授業の進捗が児童ごとに異なり、担任やアシスタントの先生が個々の理解度に応じてフォローする環境でした。一方、転校先の日本の公立の小学校は一斉授業で全員が同じペースで進みます。このスタイルの違いにも、子どもたちは最初戸惑ったようです。
また、ついていけないのは国語が最も顕著でしたが、国語だけでなく、例えば社会の授業で地理(住んでいる地域のことなど)が全く分からないなど、他の科目でもついていけない場面がありました。帰国後は大阪に住んでいますが、関西に住むのははじめてであり、土地勘がまったくなかったことも影響しました。
算数は、インター校でも学んでいましたが、宿題の量や反復練習の回数(計算カードや九九の暗唱など)は日本の方が多く、日本の子供達の基礎的な計算力は高いと感じました(もちろんインター校によって異なるかと思います。)。国語や社会程ではないにせよ、算数でも戸惑いはあったように思えます。
転校後の回復
数ヶ月で適応できた
大変だった時期が続きましたが、数ヶ月経つ頃には授業にも慣れ、友達もでき、子どもたちは元気よく学校に通えるようになりました。
一番の要因は、子どもたち自身の努力です。
日本の公立小学校では毎日宿題が出ます。音読・漢字の書き取り・計算問題・リコーダーの練習など、地道な反復学習を毎日続けることで、徐々に身についていきました。音読がスラスラできるようになり、文章を読むのにつまずかなくなっていきました。
算数については、インター校では考え方を重視する学習スタイルでしたが、日本の公立小学校では九九の暗唱や計算の反復練習に力を入れています。日本の子供達の計算のスピードと精度は率直に高いなと感じましたが、こちらも毎日の宿題に取り組む中で追いつくことができました。日本の子供達の算数能力は国際学力調査でも非常に高いレベルにあるようですが、基礎的な計算力は、反復練習によって支えられていると感じました。
漢字の書き取りについては、現在も一部(マレーシア渡航中で習っていなかった漢字)で若干怪しさが残っていますが、概ね支障はない程度まで上達しました。

友達関係も数ヶ月で安定した
友達関係についても、既存のコミュニティの中へ入るため、戸惑いはあったと思いますが、やはり子供達の適応力は高く、数ヶ月が経つ頃には仲の良い友達ができ、楽しそうに登校できるようになりました。
やってよかった対策
海外在住中:日本の教科書を無償で入手する
海外在住中に日本の教科書を無償で入手することができます。渡航前に帰国子女教育振興財団に申し込むことで、日本の教科書を無償で受け取ることができます。
また、渡航後は在外公館を通じて申し込むことができます(半年毎に申し込み。)。在マレーシア日本国大使館のメールマガジンに登録しておくと(在留届の提出・たびレジの登録・メールマガジン登録により登録。)、本件を含む各種案内を受け取ることができます。教科書の受け取りは大使館窓口となります。
わが家では国語の教科書を中心に、親と一緒に読むことでフォローしていました。
💡 ポイント
子連れで在留している方々にとって教科書の無償配布は非常にありがたい制度です。半年毎に申し込みが必要ですが、渡航時に大使館のメールマガジンへの登録をあわせて行っておくと申し込み忘れを防げるかと思います。
こどもちゃれんじ(海外受講)の活用
こどもちゃれんじは海外受講が可能です。日本の学習内容を端的にまとめた教材であり、渡航中、日本の学習フォローに活用しました。「1日1チャレ」という無理のない分量で継続しやすく、付属の教材(計算・漢字のゲーム感覚で取り組める教材。)も充実していました。
海外受講の費用は学年によって異なります。マレーシア受講の場合(2026年度・2026年2月時点)、1年生で月額8,730円、6年生で月額11,912円となっています。なお、「こどもちゃれんじプラス」やオプション教材の追加により受講料は変わりますので、詳細はベネッセの海外受講サイトでご確認ください。
ただし、一部の付属教材は海外発送ができないものもあります。植物を育てるキットなど、おそらく植物検疫上の理由かと思いますが、海外発送不可でした。
参考:スマイルゼミの活用
わが家では使用しませんでしたが、渡航中、同じような境遇の日本人のご家庭ではタブレット学習の「スマイルゼミ」を活用しているご家庭が多くいらっしゃいました。こちらも日本の学習フォローの選択肢になるように思えます。
📝 これらの対策について
日本の教育の完全な代替とまではいきませんでしたが、日本の子どもたちがどのような学習をしているかを把握し、一定程度フォローすることにはなったと感じています。
帰国後:担任の先生への事前共有
転校にあたって、担任の先生にはインター校に通っていたため日本の授業を受けておらず、戸惑う場面があるかもしれないと事前に伝えました。配慮していただけるケースもあるかと思いますので、まず担任の先生に状況を共有することは重要だと思います。
帰国後の学習習慣
帰国後は、学校の宿題(教科書の音読・漢字の書き取り・計算)を毎日続けることが最大の対策になりました。特別な教材は使用せず、学校の宿題を真面目にこなし続けることで、数ヶ月で追いつくことができました。
加えて、以下も継続しています。
図書館への定期的な通い:2週間ごとに図書館で本を借り、読書の習慣をつけるようにしています。
朝日小学生新聞の購読:わが家ではオンライン英会話サービス「クラウティ」のプレミアム・朝日小学生新聞お届けプラン(月額10,200円・税込11,220円)を利用しており、新聞もセットで受講しています。上の子は政治・経済・社会の出来事などに関心があり、毎日興味深く読んでいます。漢字にはルビが振られていて子どもにも分かりやすく、時事問題だけでなく豆知識なども掲載されていて、飽きないように工夫されています。下の子は漫画のコーナーや写真の多いページを中心に読んでいます。

帰国子女の経験はプラスになる?
率直に言うと、日本の普通の公立小学校に通う上では、帰国子女であることが直接プラスに働く場面はほとんどありません。英語を使う機会は基本的になく、帰国子女であることで活躍の場がある訳ではありません。
ただ、インター校での経験は、確実に子どもたちの「糧」になっているかと思います。自己紹介で「得意なことは英語」と答えられるくらい、英語が自信になっています。目に見えるプラスの効果はなくても、子どもたちが成長し、また、環境も変わっていく中で、いつかマレーシアでの経験が活きてくることがあるのではと思っています。
転校を繰り返す子どもへの心のサポート
東京→マレーシア→大阪と、子どもたちはこれまでに複数回の転校を経験してきました。
転校のたびに子どもたちは前の学校・友達と離れることを嫌がり、新しい学校にも行きたくないと泣くことがありました。そのような時期は、学校まで送り届けることや話を聞いて感情を受け止めるなど、寄り添うことを意識しました。
また、我が家でこれまで経験してきた転校では、子供達は幼稚園から小学校中学年までと小さく、比較的早く新しい環境に適応できたと感じています。いずれの転校でも、数ヶ月経つ頃には元気に学校に通えるようになりました。
マレーシアでは、転勤族のご家庭が多く、複数の小学校を経験した子どもがたくさんいらっしゃる環境でした。「自分だけが外から来た」という感覚は全くなく、転校が特別なことではない環境の中にいたことも、転校を受け入れやすかった一因だと思います。
ただし、今後、高学年や中学生での転校があれば、子どもたちの受け止め方はこれまでとは大きく異なってくると思っています。その時々で異なるサポートが必要になるものと、親として感じています。
まとめ|転校は大変だけど、子どもには適応できる力がある
インター校から日本の公立小学校への転校は、正直かなり大変でした。特に最初の数ヶ月は、親も子どもも苦しい時期がありました。
それでも、子どもたちの努力と毎日の積み重ねで、数ヶ月後には元気に学校に通えるようになりました。親として戦略的な対応ができたとは言えず、その場その場での対応となったことは正直否めませんが、小さな子供達には適応できる力があると感じました。
とはいえ、ご家庭ごとの状況(海外生活の期間や海外で受けてきた教育など)や子供の年齢、帰国先の環境などによって対応は大きく変わるかと思います。この記事が同じように悩まれている方の少しでもお役に立てれば嬉しいです。


